欅(ケヤキ)は、ニレ科・ケヤキ属です。北海道を除く、本州・四国・九州・朝鮮半島・中国・台湾が産地です。樹高は20m~25m・径60cm~70cmが平均アベレージです。中には、樹高30m以上・径1.5m~2m近い大径材もあります。良材と言われる程、耐久性や耐湿性に優れていて、材の径や樹齢により、用途が異なり、杢目の現われ方が異なるのもこの木の特長と言えます。材面は概ね茶褐色の木地を中心に樹齢が高い程、濃赤茶褐色が強いと言われます。
欅(ケヤキ)について
欅(ケヤキ)は古来より日本人の生活文化に特に深く根差していて、樹齢の高い材からは如鱗杢(じょりんもく)、牡丹杢(ぼたんもく)、鶉杢(うずらもく)など現れ、代表格は玉杢(たまもく)です。玉杢の表現でも大玉杢・中玉杢・小玉杢に分類され、バラ玉杢・玉タクリ杢・チヂミ杢・沢杢(サバ杢)など、更に細かく杢目の表現が分類されます。
欅の木質
生育場所により木が硬く、粘り有る材は青欅(青味の強い材)と呼ばれ、建築材の土台・梁廻りに使われ、杢目を有する材や俗に”赤ケヤキ”、”糠(ぬか)ケヤキ”と称される材は、指物・什器・美術工芸品に渡り使用されます。欅(ケヤキ)は特に材の持つ”木質・木味”により、古来より適材・適所が求められ、文化と共に使い分けされてきました。
一般用途
建築一般材から構造材・階段材・床ノ間材・棚板・指物・座卓・小卓・家具・箪笥・美術工芸品に至るまで広く使われます。
一枚板比較の提案
欅(ケヤキ)は古来より、材の持つ荘厳・重厚さから、寺院建築と中心に多く使われて来た歴史があります。ややもすると人の目に写る視覚上、重みがどうしても気になります。又玉杢や杢目模様の出方によっては、現代住宅において日常生活視線がどうしても絡みを生み、テーブル材やカウンター材を選別する際にはバランスが重要となります。民芸風の住宅には良く溶け込みますが、新建築やデザイン住宅に馴染むには少し無理が有る場合が多いです。
まず杢目のバランス・目にやさしい杢目柄をおすすめします。又木地仕上りだけでは無く、”うるし”塗りを施す事により違うやさしさが生まれます。
写真⑦は、杢目にやさしさが加わる漆塗り仕上りです。