チークは、くまつづら科のチーク属です。学名チクトナ・グランディスです。(タイ・ラオス)マイサック、(ビルマ)チェーン、(インドネシア)ジャティ、(ベトナム)テック、(英・独)ティーク、(仏)テック、(中)麻栗などの別名があります。産地はインド・ビルマ(ミャンマー)・タイ・ラオスです。植林事業により、パプアニューギニア・ソロモン諸島・オーストラリア・南米・アフリカなどの植林分布が広がりつつあります。樹高25m~30m・径60cm~80cmが平均アベレージで、径1m~1.5mを超す材もめずらしくありません。現在チークでは無く、本チークに近い材面を持つ材もアフリカ・ローデシアチーク、アフリカンチーク、南米チーク、ユーラシアチークなどがあります。

チークの一枚板

写真①:チークの色彩が良い60cm巾のチーク材

チークについて

一般にビルマ(ミャンマー)産のチークは、黄金色の色彩からゴールデン・チークと呼ばれています。又世界三大銘木、マホガニー、ウォールナット、チークとして呼び名があります。チークはローズウッドの様な華やかさはありませんが、耐水性・耐久性に優れ、金褐色・黄褐色の木地色彩を中心に人気が有ります。又材の等級が何段階も有り、材面の色彩により灰褐色から暗褐色、黒い縞が多く有る材なども色彩も色々です。嫌味が無く、飽きの来ない落ち着いた色彩と加味する特性を持ち、優れた樹木として世界で名声が認められる材です。

チークの一枚板

写真②:木味の良い「A」柾目、「B」杢目のチーク材

イギリスが世界の海を制した時代、海軍の軍艦の甲板材は耐水・耐久性に優れた材が要求され、植民地からのチーク材が供給されました。

船舶・車両の内装材、家具、室内装飾(壁面・床板)、高級造作材、洋間の窓枠、ドア建具にも昔からよく使われ、現代住宅ではフローリングを中心に家具等に使われます。

現代的な使い方

チークは産地が限定されていて、大径材の良材は原木等極端に輸入は無く、又現地産出国では伐採禁止・森林保護活動が盛んで、今後大板・中巾板も含め、板材利用の道は閉ざされ、材の供給も先細りの感があります。テーブル用としては巾30~45cm内外巾の板を寄せて用いるか、節や割れ等を生かし、デザインを先行させる努力が必要です。

現在日本には、大板で長尺物・巾広がまだストック材として持たれる販売店が多いと聞きます。材が無くなる前にチーク材のお買求めの一考をおすすめします。

チークの一枚板

写真③:めったに無い巾1mを超すチークの大板材