栃(とち)は、トチノキ科で樹高15m~25m、径60cm~1.5m・2mに達する大径材もあります。産地は日本北海道以南から、本州・四国・九州に広く分布しています。世界を見渡すと北半球の温帯と南米に2属、約25種が有り、ヨーロッパマロニエ(ホース・チェスナット)が代表樹です。

栃(とち)・バールについて

材面は、白の部分が利用価値があり(通称純白(じゅんぱく))、赤身の部分は収縮・割れ・縮が生ずる為、敬遠されます。栃コブは、大小ありますが、幹肌に自然条件(気象・虫害)などで生じたコブ状の材で、中にはチヂミや面白い杢目が詰まっています。栃と言えば縮杢が代表です。写真①は、栃ではめずらしい形の良い”花コブ”です。

栃(とち)・バール

写真①:栃ではめずらしい形の良い”花コブ”

又、幹コブを代表するのは、日本では紅葉・楓類で、”花コブ(一面花が咲いた様なコブ)”が有名です。

栃(とち)・バール

写真②:コブをスライスカットした材

樹齢300年を超す幹に出来た幹コブ

写真③:樹齢300年を超す幹に出来た幹コブ

コブ材はターニング材としての置物・オブジェ・花台等に使われます。最近では木軸ペンの世界で作品を多く見ます。