ホンジュラス・ローズウッドは、マメ科です。学名はダルベルギア・ステヴェンソニーです。産地は中米ホンジュラス・旧英領(現ベリーズ)・グアテマラです。樹高は6m~15m・径40cm~60cmが平均アベレージです。かつては1m近い大径材が多くあったと言います。
写真①は、ローズ・ウッドの仲間で有るインドローズの色彩にも似ています。杢目はバール材なので、まるで宇宙を覗く様な細かい杢目があります。
ホンジュラス・ローズウッドバールについて
本体のホンジュラス・ローズウッド同様の淡褐色や紫色の縞目をそのまま写り込んだ美しい色彩です。最近日本でも木軸ペン製作の世界で人気があり、持て囃されているバール材の1つです。
コブ材と中米の歴史
中米の国々では、大航海時代よりヨーロッパへマホガニーの輸出(搾取)の為、大量に伐採されました。戦前はホンジュラス・ローズウッドも対象に大径材から切られ、戦後はアメリカへ家具用材としてマホガニーと共に輸出されたと言います。日本には昭和30年代に、メキシコ経由で輸入され、日本では主に角材(床柱)や家具用ツキ板として広く使われ、少量ながら楽器関係者にも行き渡ったと聞きます。
産出される中米の国々は、国情が安定せず、経済的に貧困に喘いでいる状況で、治安も悪く違法伐採がギャングの裏資金となっていて、麻薬と共に問題を抱えた地域でもあります。根部分にあるバール材は、当時見向きもされず、バール材の残り材は、地元の土産品(木工品)やオブジェ品に造られていました。最近になって、バール材の杢目にアメリカを始め、ヨーロッパも含めてナイフ柄の部分や、木軸ペン製品に人気があります。アメリカの木工通販で高価に売られています。
写真③は、ホンジュラスローズ・バール材のカット材です。
写真④⑤は、ナイフの柄部分(スケール)にカットされた材で、杢目の入り込みが美しい材です。
写真⑤は、絵に描かれた様な杢目を有するホンジュラスローズのバール材です。
本材はなかなか日本では入手が困難な材の1つで、バールの備積量少ないので、大切に使っていく事をお奨めします。