楠(くす)は、クスノキ科、クス属です。中部以西・四国・九州に分布します。特に九州が主要な産地と言われています。その九州も大径材から伐採が進み、年々その数を減らし続けていると言われます。現在では日本各地の神社所有林や、住宅・民家林の中に大きな楠が残っています。大きな楠木はその多くが天然記念物に指定され、日本の巨木ランキングでは常に顔を覗かせています。

楠バール材

写真①:楠(くす)・バール(コブ)材

楠(くす)・バール(コブ)について

樹高は20m以上・径は90cm~1mが平均アベレージで巨木クラスは径2m~8m近い樹木も有ります。クスノキ属は世界に40属1500種を数え暖帯から温帯にかけて世界に産する常緑高木です。

コブの発生

楠木は樹齢が比較的長く、大木になるケースは多いのですが、風には比較的弱く、台風時に枝が飛ぶケースも多く、又枝落ちから雨垂を招き、虫害と共に大きな洞(ウロ)を包み込んだ大木も多く、若返りの年輪、芯が抜けた材は、ズボンが脱げ落ちた様に根元に向かって、皮ヒダを重ねて行きます。この状態をコブ目と言い、樹齢が高い木は若返りを繰り返しますので、外皮が幾重にも複雑に絡み合い、円形に突出した物もコブと呼びます。

楠のコブ杢目

写真②:楠のコブ杢目

細かい”楠”のバール材を用いたペン製作

写真③:細かい”楠”のバール材を用いたペン製作

※木軸ペン:三重県伊勢市 杢杢工房 野村 収氏 作品