楓(かえで)は、カエデ科です。この種に属する樹木は園芸種も含めて15種~20種有り、その中で代表格がイタヤ・カエデです。樹高15m~20m・径60cm~80cmが平均アベレージです。中には径1mを超す巨木もあります。通称イタヤが通り名です。イタヤの語源は、日本の古民家の板葺き(トチぶき)の様に葉が良く繁り、雨水も漏れない程の板屋根に見立て、イタヤの名が付いたと言われます。

楓の”花コブ”と言われる幹コブ

写真①:楓の”花コブ”と言われる幹コブ

楓(かえで)・バールについて

材面は白地が主体の木地、赤身部分も淡いピンク系の色彩、加工後は光沢も有り、杢の有る物は美しく気品があります。アメリカのメープル材とは一味違う趣きがあります。

バール材

本来は紅葉・楓類に発生する”花コブ”と称される物は、サイズ的に小さく用途があまりありません。ほとんどの場合、写真の様に根廻りにコブが連結した部分が有りそれを取材します。

材の利用

コブ部分の大きな物は、指物・細工品・小卓・家具類の棚や扉部分に多く使われ、又拭き漆塗りなどを施すと何とも言えない表情が出ます。更に杢の凝縮した部分は、ターニング材や木軸ペン製作に向いています。

楓(かえで)・バール

写真②:楓の根の部分でコブが連結している部位

写真①は、楓の根の部分でコブが連結している部位でチリメン杢や漣杢(さざなみもく)が現れています。