桧(ひのき)は、ヒノキ科のヒノキ属です。世界に約17種有り、常緑の低木から高木に至るまで有ります。日本ではヒノキ・サワラの2種類があります。ヒノキは、”火の木”の意味を持ち、木と木を擦る(こする)事により火を起こした事から名付けられたと言われます。又、”ヒ”の頭字は古語の”良し”を意味し、木としては優良材・良材を意味します。地方によっては、ヒノキの柱は”火柱”として構造・化粧柱として使用しない地域も有ります。樹高25m~40m・径50cm~60cmが平均ですが、残存している木で1m近い径の有る巨木もあります。
目次
桧(ひのき)について
桧(ひのき)は、産地の名の冠を付けて、木曽(きそ)桧・尾州(びしゅう)桧とも言われます。木曽桧は、木曽川と奈良井川の上流に当たる谷間の山間部からの出材があった為と言われます。尾州(びしゅう)は、徳川尾張藩が江戸時代より管理し、”お止め”材として管理・育成していた事に起因します。
桧の歴史
昭和10年頃、全てこの地域の産出する材は、国有林が管理していて、年間伐採量から植林保護に至るまで、現在、全て国が指導している地域です。その為、日本三大美林(青森ヒバ・秋田杉・木曽桧)の中でも木曽の桧が、現在かろうじて美林が保たれている理由です。古来より法隆寺に始まり、延暦寺・出雲大社・薬師寺等、名前を挙げたらキリが無く、木造文化財に大きく寄与しています。忘れてはいけない建築材に、伊勢神宮遷宮(せんぐう)造営材の神事も含め、木曽桧は歴史的貢献を果たして来ました。
豊臣秀吉・徳川家康の時代、城砦材などの需要が高まり、大阪城・伏見城・聚楽第(じゅらくだい)や戦乱の為に消失した建物・復興に各地元の材では到底、賄う事が出来ず木曽山中に材を求めたと言います。その為、新しく谷筋の開発範囲が拡張されたと言います。
材面
辺材・白太は、灰白色・赤味は淡紅白色で、色彩が美しく加工面に光沢が有り、清楚と品位を感じさせる材です。又特有の香りにも上品さが有ります。
その他の桧
現在、木曽桧の需要は大きく、現在の木曽地域だけでは当然賄い切れません。特に長尺カウンター(寿司・割烹・店舗)用の60cm巾を中心とした材は、木曽地域でも年間、原木で数本の出材です。紀伊半島(三重・奈良・和歌山)・四国・九州・関東(埼玉)など、年輪が詰んだ木曽桧と変わらない材が代替材として広く用いられています。
カウンター材の現状
1つの例を取ると木曽桧5m×巾60cm×厚60mm~70mm、赤身の無垢材は、一枚最低でも600万円~700万円の値が付きます。カウンター材は、白木材を要求する店舗の業態により、大衆料理店・居酒屋・おでん店に始まり、高級和食店・寿司・割烹に至るまで、ランク別に必要な長さ・巾・厚みが要求されます。価格も目安として、長さ4mを基本に、巾30cm・巾40cm・巾45cm・巾50cm・巾60cmと巾に対し価格も倍々に跳ね上がります。
上記の価格問題により、米桧(べいひ)アメリカ産桧・米ヒバ・スプルース(カナダ・アメリカ産)・台桧(台湾産)など、どうしても外国産の白木材に頼らざるを得ない状況です。
白木カウンター材を望まれる方へ
東京だけの話をしますと、新木場も含めて国産の桧のカウンターを扱っている業者は、たった4~5店舗で、外国産桧を扱う店を含めても8店舗しかありません。寸法外の注文があれば、相互に材を融通し合う事もしばしばです。
新しくお店の起業をお考えの方は、カウンター加工を専門にしている所でいろいろと逆に聞かれる事をおすすめします。
カウンター材を安くする方法例
これ以外でも、いろいろなアイディア等が聞けると思います。
東京・新木場 加工専門店 (株)オイヌマ
電話:03-3521-4680
桧材を使った木軸ペン
※木軸ペン:三重県・伊勢市 もくもく工房 野村 収氏 製作