パオ・ローザ

写真①:パオ・ローザの杢目と柾目

パオ・ローサは、マメ・ジャツケイバラ科、植物学上ボブグニア・フィストロイデスの名前です。パオ・ローズ、(独)ローゼンパリサンダー・ポール・ローサとも呼ばれています。呼び名の由来は、アフリカ産出国の中でマメ科の”赤い木”を指します。産出国は、西アフリカ(カボン・象牙海岸・コンゴ)、東アフリカ(モザンビーク・マダガスカル)、東アフリカ等で本材に良く似た亜種が2~3種有りましたが、今日では同種と認められています。

パオ・ローサ

樹高25~30m・径60~80cm、中には1m近い材もあったと言われています。現在は大径材は少なく、小径材も少ないと言われています。西アフリカ諸国の広い範囲に育成林がありますが、過剰伐採の為、その備積量は年々少ないと言います。利用用途は、室内装飾材、ツキ板、家具等です。以前は紫檀の代用品として利用されていた時期もあります。現在はターニング材やペン製作、楽器(ギターベース・指板)にも人気があります。現在レッドリストの付属書または、サイテスにも認定されていませんが、アフリカ諸国の経済発展に伴い、これからの供給量は減る傾向にあります。

パオ・ローサとパウロサとの違い

東アフリカ(ザイール・モザンビーク・マダガスカル)より産出されるパオ・ローサは、材面色彩も良く、欧米では同じ種ですが、別けて呼んでいます。また南米ブラジル産のパウロサは、マメ科のブラジリアンローズ・モラド・南米紫檀も含めてパウロサと呼ばれています。

パオ・ローザ

写真②:パオ・ローザの美しい柾目

パオ・ローザ

写真③:最近では楽器関係にも人気が有ります。

材面

辺材(白太)は、クリーム色から淡い白色、芯材(赤身)は淡桃色、濃赤色を基調に、濃い桃色・茶褐色・黒色の縞を有していて美しい色彩です。また産地によっては、虹色の色彩を持つ材も有ると言われています。

パオ・ローザ

写真④:淡い赤褐色の柾目

パオ・ローザ

写真⑤:小割りした柾目材