リオグランデ・パリサンダー(ボコーテ)は植物学上、コルディア・チリチョトマと言います。ヌペテレビイと掲載されている事もあります。カキバチシヤノキ属・ムラサキ科の植物です。ポコテ・ボコーテ・リオグランデパリサンダー・ユカタンローズ、(日)黄金丹・黄玉丹・黄檀とも言われます。産地ブラジルリオグランデ州・ナタール州には、元々日系移民が多く住んでいて、その中の輸出業者が日本人受けの良い名前を付けたと言います。中米(ユカタン半島の付根(つけね)・コロンビア・エクアドル・ベネズエラ・ガイアナ・スリナム・ギアナ東側ではペルー・ボリビア・アルゼンチン(北東部)に広く分布し、ブラジルでもパラ・セアラ・バイア・各州に点々と分布しています。
リオグランデ・パリサンダー(ボコーテ)について
輸出港のあった、リオグランデ・ド・スル州の名前から、リオグランデとローズウッドの様な材から、欧米の商業名はリオグランデ・パリサンダーです。良く産地をメキシコ等と書かれていますが、これは事実ではありません。又アメリカ・メキシコの国境を流れるリオグランデ川とは関係はありません。リオグランデはスペイン語で、リオ”河”を意味し、グランデは”大河”の意味で、ウルグアイ川とペロタス川を言い指します。
樹高15m~25m・直径45cm~60cmが平均サイズですが、中には80cm~90cm近い材も有り、直幹の材が多いとされています。日本に輸入されるボコーテ材は、材の大小、生育している産地・土壌や気候にも左右され、杢目や色彩の差が著しく異なり、コルディアの冠を持っ樹木が、2種類有りコルディア・フレイジョの方をリオグランデと称したり、現地語のジャガランタと呼ぶ人も居ます。
単純な板目模様から黒柿の網目や孔雀杢に似た杢目を有する材もあります。昭和50年の始め頃、市場出品床柱が、ペパーミント色に彩色されていたのは驚きましたが、極上な杢の表面を細かいペーパーで仕上げると淡いペパーミント色が現れます。この事から、仕上りにこの手の色を使用したと思われます。この材は、オリーブ色・黄色・黒色が混じり、その織り成す全目はドラマチックさえ感じます。
材の利用
日本では、かって床ノ間(床柱として)多く作られました。巾広の材は、店舗用カウンターにも良く使用されました。区欧米では、現在ツキ板として、主に壁面、家具用が主で、杢の良い物は、指物・細工物・額縁・楽器(ギターベース板・指板)・ナイフの柄、銃(銃床)・ターニング・ペン製作など、特殊な使い方として、高級ヨットの内装パネルからデッキ材としても使われます。