①デザート・アイアンウッド(砂漠鉄木)

材面の色彩が食後の後に出される果物や菓子類の様な豊かな色彩の為、デザートの名が付けられました。杢の生い立ちは、アメリカのアリゾナから、メキシコ北部にかけてのソラノ砂漠の広地域にかつて生育していた植物が砂に埋もれた木材の総称です。出土する植物は、アカシヤ・柳類(チロプシス・ソネアリス)・サボテン・メスキート(マメ科プロリピス種)などの灌木類の総称を示します。

デザート・アイアンウッド(砂漠鉄木)

写真1-1:デザート・アイアンウッド(砂漠鉄木)

大きなサイズはめったに無く、小片といったサイズがほとんどです。珪花木の様に硬い材ですが、黄色~オレンジ色の変わった材で、正に木のデザートと言った所です。

デザート・アイアンウッド(砂漠鉄木)のカット部分の材面

写真1-2:デザート・アイアンウッド(砂漠鉄木)のカット部分の材面

デザート・アイアンウッド(砂漠鉄木)のカット部分の材面

写真1-3:デザート・アイアンウッド(砂漠鉄木)のカット部分の材面

②メルバウ(太平洋鉄木)

メルバウ(太平洋鉄木)は、ウルシ・マメ科です。鉄木と言われる種の産地は、インド・インドネシア・スマトラ・フィリピン等に15種有ると言われています。代表がメルバウです。材面は、黄色・オレンジ色から、灰褐色・淡赤色まで、各産地により色彩もバラエティーに飛び、加工後は柾目は特に光沢が有り、家具やキャビネット等にも使われます。

東南アジアの代表メルバウ材

写真2-1:東南アジアの代表メルバウ材

③リグナム・バイタ

リグナム・バイタは、ユウソウボク属、ハマビシ科です。産地は中米から南米北部(キューバ・ハイチ・プエルトリコ・コロンビア等)・ベネズエラ・エクアドル・グアテマラ・ホンジュラスです。別名、癒瘡木(ユウソウボク)、生命の木・聖なる木と呼ばれています。材面は非常に硬く重たい木でも有名で、しかも油分がある為、中小船舶のスクリューの軸受け材として、摩耗にも良好材として日本でも明治の中頃から使われています。挽いた時は、緑褐色ですが経年変化後は、黄緑・緑色に変化します。

経年変化し緑色が増したリグナムバイタ材

写真3-1:経年変化し緑色が増したリグナムバイタ材

経年変化し緑色が増したリグナムバイタ材

写真3-2:辺材(白太)と赤身がはっきりしていて、若草色から淡緑色まで産地により異なります。

リグナムバイタを使った木軸ペン

写真3-3:リグナムバイタを使った木軸ペン

リグナムバイタを使った木軸ペン

写真3-4:リグナムバイタを使った木軸ペン

※木軸ペン:長野県・駒ヶ根市 木軸ペン工房 青木 広司氏 製作

④ブラック・アイアンウッド

ブラック・アイアンウッドは、北米・フロリダ・中米・カリブが産地です。樹木は6m~10m・径25cm~30cmです。アメリカでは、デザートアイアンウッドの2番目に重い木と言われています。小さなターニングオブジェの用材として使われており、商業的にはこの木は販売されていません。

⑤その他

その他、エクステリア材に使われるウリン(べリアン・タブリン)等もアイアンウッドと呼ばれます。また、パープルハート材もボリビア・アイアンウッドとも呼ばれます。