レース状の柄の表現を1言にまとめる事には無理があります。特に日本人には、欧米各国と違いレース地(絹・綿・刺繍)に関しては、文化的にも歴史的にも馴染みが薄い為です。レース編みは大きく3種類に分けられます。
世界のレースウッド
写真①はエンブロイダリーレース(木地に機械刺繍した物)です。写真②はラッセルレース(綿木地に刺繍を多く使った物)です。写真③はリバーレース(刺繍糸に撚って作るレース)です。
その他、工業的に生産されたケミカル・レース・濃炎の刺繍を施したチュールレース等があります。
現代一般的には、窓際のレースカーテンや単にレース布地に使われている花柄・動物柄・植物柄・幾何学模様等、木材の断面に映し出された杢目柄に一致する材をレース・ウッドと呼びます。
日本人にも”見立て”と言う文化もありますが、紹介する材がレースと言う概念に一致するでしょうか。
①ビーフウッド
ビーフウッドは、ヤマモガシ科です。産地はオーストラリア・クイーズランド・サウスウエールズです。材面がビーフ肉の断面に似た杢目柄を持つ材をビーフ・ウッドと呼びます。
②レース・ウッド・ブラジル
レース・ウッド・ブラジルは、ヤマモガシ科です。産地はブラジルです。別名パンサーウッド(ジャガー・豹柄)、レオパラ・モンタナです。
材の木取り、ミカン割りなど、角度を付けた製材によりいろいろな動物に似た杢目が現れます。
③ノーザンシルキーウッド
ノーザンシルキーウッドは、ヤマモガシ科です。産地はオーストラリアです。別名オーストラリアン・レースウッド、シルキーオークの呼び名があります。
写真3-1、写真3-2は、レース状の細かい杢目です。ステッキ製作品、コルク樫の細かい品の有る杢目です。
④ムクロジ(無患子)
ムクロジ(無患子)は、ムクロジ科です。産地は日本です。
写真4-1の様な断面は、レースウッドとは呼びませんが、日本人の”見立感性”では、立派なレースウッドと呼べるのではないでしょうか?
写真4-2は2丁共ブラジルのレオパードウッドです。「A」はレース状に見える材で美しいです。
⑤その他のレースウッド
ヨーロッパでは、ロンドン・プラタナス(プレインツリー)やアメリカ(アメリカン・シカモア)もレースウッドと呼ばれます。