立木を伐採した際の原木の名称についてご紹介いたします。
目次
立木を伐採した際の原木の名称について
立木(たちぎ、りゆうぼく)
樹齢300~400年の社寺木(しゃじぼく)。木の先端が枯れ始め、伐採の旬を迎えた杉の老木のイメージです。この状態から、枝葉を取り払い伐採され原木へとなります。
原木の名称
立木を伐採した際の原木の名称については以下の通りとなります。
末(すえ)
頂上部分を末(すえ)と呼びます。丸で囲った箇所を”トンボ”と呼びます。トンボと呼ばれる理由は、枝がトンボの羽根のように突き出している為です。
木によっては、3番玉以上、4番5番玉、末(すえ)と食える材がありますが、普通4~5番末(すえ)材は、昔から伐彩師の手間とは別に、地元に置いてくるのがルールでした。
3番玉(さんばんだま)
末(すえ)下、2メートル内外を3番玉(さんばんだま)と呼びます。
2番玉(にばんだま)
3番玉(さんばんだま)下、3メートル内外を2番玉(にばんだま)と呼びます。
第2枝・枝下
二番目の大きな枝がある所を第2枝(第2枝・枝下)と呼びます。
1番玉(にばんだま)
2番玉(にばんだま)下、4メートルから5メートルの部分を1番玉(にばんだま)と呼びます。
第1枝・枝下
最初の枝が有る所までを第1枝(枝下)と呼びます。
目通り(めどおり)
人の目の高さの幹廻り(円周)を目通り○メートルと呼びます。
一番玉の重要性(諺:ことわざ)
一番玉は、木全体の代金を背負う材ですから、製材時、この玉を外すと元が取れない場合があります。また昔から、諺(ことわざ)で、”元木(もとき)に勝る裏木(うらき)無し”と言われ、木は元玉が一番良く、二番玉はどんな成り姿が良くても、元玉が最高と言われます。
根玉(ねだま)・元玉(もとだま)
1番玉(にばんだま)下部を根玉(ねだま)・元玉(もとだま)と呼びます。根張りを避けて、元(もと)から約1メートルの所で切ります。根張りを利用して、斜めに顔(つら)に添って、製材し建具用腰板や格子天井(こうしてんじょう)の鏡板(かがみいた)を取ります。もう一つあります。大変便利です。振り出し式なので、納める長さは1メートル50センチ内外、新幹線の中にも持ち込め、遠い現場や車のトランクにも簡単に積めます。
上記は、代表的な杉(スギ)を表記したもので、樹種、樹高、太さ(径)、根張りの有無により異なりますが、業界では図の表記のように呼ばれる事が多いです。
その他の名称
原木の状態によっては、以下のような名称もあります。
花魁(おいらん)
末(すえ)の枝付の具合、形によりトンボと言いますが、末の枯枝や枝の数が多い木を花魁(おいらん)と呼びます。花魁(おいらん)の頭髪に数多くの簪(かんざし)が見られるので、例えて言います。このような末(すえ)だけの判断で節が高く、懐(ふところ)が利かない木と予想が出来、また枝が多い為、雷が多く落ちた事を疑う事も出来ます。
懐(ふところ)
木の胴廻りに枝がまったく無い物や、末(すえ)、元(もと)の径の差異が無い物は、製品の多くを望める為、懐(ふところ)が良いと表現されます。
片顔(かたずら)
一ヶ所でも根元から枝が無い部分の面(めん)が有れば、当り(あたり)が良いとか、片顔(かたずら)が良いと言われます。上記のイメージ図で言うと、第2枝まで片顔(かたずら)が空いているといいます。
立木を伐採した際の原木の名称のご紹介は以上です。続いて原木に最適な径寸をご紹介いたします。
伐採から原木について
伐採から原木について、立木を伐採した際の原木の名称、原木に最適な径寸に別けてご紹介いたします。
”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し
一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。
50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。