”木”を扱う者にとって、節は切っても切れない友達のような物です。節が無いのが一番ですが、”木”だって生長しなければならないのですから、人間様の考えているような訳には行きません。丸太から木取りする際、”節”を避けて木取りをしますが、”隠れ節”もあり、無節材が取れる事を願うばかりです。
目次
木材の欠点、節について
節の種類
生き節
写真①は、桧(ひのき)の節です。よく見ると節が綺麗に出ていません。欠け(かけ)があります。丸く欠けが無く、木の面にしっかり張り付いている物を”生き節”と言います。
死に節
同じ節でも、節自体抜けたり、削りを入れると節自体がボロボロになったり、抜ける様な節は、”死に節”と言います。
夫婦節(めおとぶし)
写真②は、桧(ひのき)の二つ節です。松材などの巾広材は、この板面に偶然現れた節は、夫婦節(めおとぶし)と呼ばれ、節と言えども”珍重”されます。加えて、節の大きさが、大小となっていれば最高です。何十年、私も探しましたが、出会ったのは一枚だけです。テーブル材として御客様が喜ばれていました。桧(ひのき)の樹勢・枝の生え方も見ると、この夫婦節(めおとぶし)は、なかなか出現しません。
寄り節
写真③は、寄り節と呼ばれます。大小の節がまるで肩を寄り添って見えるので、この名が付きました。
節の深さは材面の出方でわかる
1番目に深い節
1番目に深い節は、板目の芯際に有る節で、真円に近い生き節の事を芯節(しんぶし)と言い木表など、影(節かげ)などで有る物は、7~10センチメートルに達していて、1番深い芯です。
2番目に深い節
2番目に深い節は、芯脇にあって、節が真円になっている物です。芯節よりやや浅いと判断が出来ます。
3番目に深い節
3番目に深い節は、杢の脇、側(こば)に近く楕円状の節は、比較的浅いと言われます。
4番目に深い節
4番目に深い芯は、杢の両脇、板巾の中心より距離がある物で、枝先の跡や、すでにボサボサの状態になっている物」は、24ミリメートルの深さで、節が止まっているケースが多いと言われます。
経験を積む為に、練習用の板子の節に、自分でノミで掘ってみると節のおおよその深さがわかります。
節との向き合い方
節は転じて福を成す場合が多く、節数のバランス、数など、使う用途によって大きく左右される事が有り、節をどう納めるか考えて置くと、節の方から寄って来ると言います。不乾燥材の節は、必ずボンド処理や和紙などを使い、節割れを起こさない事が養生の大切な仕事です。
写真④は、松材の剥ぎ合わせ化粧に契(ちぎり)を打っています。床脇板は、3尺(90センチメートル)以上の赤味は取れません。この様なやり方で、節板を生かすのも1つの手です。
写真⑤は、茶室の炉の部分の蓋材(ふたざい)で、炉蓋(ろぶた)と言います。茶会中は、取り外しますが、席内にこのような節を生かした材は、何か”詫び”を感じさせます。これも上手な使用例です。
写真⑥は、茶室小間の中板(なかいた)使用例です。茶の世界でも、木工芸の世界でも節の数は、昔から奇数が”吉”とされ、3・5・7・9の数が基本です。この中板の節数は、6個、7個あればパーフェクトです。この奇数の考えは、デザイン・視覚的にも秀れた考え方で、実に不思議です。
木材の欠点、節のご紹介は以上です。続いてはじめにをご紹介いたします。
はじめに
木のいろはにほへと(わかりやすい木のお話し)を始めるにあたり、立木(たちぎ、りゆうぼく)、材木(ざいもく)屋と木材(もくざい)屋の違い、木場(きば)と林場(りんば)の違い、銘木とは?銘木の定義、木材の欠点、木材の欠点、節についてをご紹介いたします。
”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し
一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。
50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。