木表(きおもて)・木裏(きうら)についてご紹介いたします。

木表(きおもて)・木裏(きうら)について

写真①は、”木”の年輪の成長通り、年輪が上に向っています。「A」の面を木表(きおもて)と言います(年輪が幹側に廻っています)。

木表(きおもて)

写真①:木表(きおもて)

写真②は、”木”の年輪の成長が逆に下に向っています。「B」の面を木裏(きうら)と言います(年輪が幹の芯部に廻っています)。

木裏(きうら)

写真②:木裏(きうら)

写真③④は、写真①②と同じ板を斜め上から撮影した写真です。板面の杢目は、写真③が木表面、写真④は木裏面です。杢目の現れ方、表情が微妙に違う事を確かめてみて下さい。

木表面

写真③:木表面

木裏面

写真④:木裏面

写真⑤⑥は、杢目が分り易い杉の木表・木裏にうづくりを強く掛けた状態です。写真⑤は木表、写真⑥は木裏です。

木表側

写真⑤:木表側

木裏側

写真⑥:木裏側

写真⑦⑧の指示棒の示す先端の赤い部分をよく見て下さい。写真⑦の木表はよく見ると冬目の返し目先が秋目に向って、上から下へと入り込んでいるのが分ります。写真⑧は、木表と違い冬目の返し目先が、手足の爪(つめ)の根元に起こる”ささずれ”の様に、上に向って反り返っているように見えます。

木表側

写真⑦:木表側

木裏側

写真⑧:木裏側

木表と木裏は、小口の年輪を見れば判断が出来ます。杢目に沈む・返すは分り辛いと思いますが、静かにジーっと見ていると、この違いが分る様になります。

木表・木裏がもっと分り易く説明するのに、茶碗を置いて解説します。

木表(きおもて)で茶碗を伏せています。

写真⑨:木表(きおもて)で茶碗を伏せています。

木裏(きうら)で茶碗を返して、飲み口が上になって置いています。

写真⑩:木裏(きうら)で茶碗を返して、飲み口が上になって置いています。

写真⑨は、木表(きおもて)で茶碗を伏せています。伏せた円先が杢目(冬目)が秋目に向って、上から重なり入り込んでいます(木工を経験した人は、木表は削りやすい事が理解出来ます)。

写真⑩は、木裏(きうら)で茶碗を返して、飲み口が上になって置いています。杢目(冬目)が円先に向って、浮き上がって見える事を表しています(木工を経験した人は、木表と違い、木裏は削りにくく、逆目が多く発生します)。

あくまで、人の視覚を通して入り込んで見えるか?浮き上がって見えるか?”木”を扱う人の最初に通る門と考えて下さい。私も業界に入った時は、木表・木裏がわからず、当時お猪口(おちょこ)杯を置いて教わりました。

木の杢目を多く見てくると、自然に身に付きます。薄い板や杢目が重なり合う屋久杉の杢目を見ても、小口の年輪の方向を見ずとも木表(きおもて)・木裏(きうら)が分るようになります。

市場などで並んでいる材の中で、木裏側に配列してある材もすぐに理解できるようになります。

よくある質問と回答

Q:杢目を見ただけで木表・木裏の判断がすぐに付きますか?

A:例題のような誰でも解る板目系のケースよりもっと複雑な杢目例、杢目柄によっては、木表、木裏が出たり、入ったりしている材(例:屋久杉)や、外国材の四季の無い熱帯林地域の材(例:輸入唐木材)などジックリ小口を見ないと解らないケースもあります。また、経年変化した杢目や白太も含めて、汚れている材などは、判読が出来ず困る事がプロでもあります。①小口の年輪の方向②杢目の変化③白太(成長層)の有無順番に頭の中で判断する経験を多く持って下さい。

写真⑪⑫は、唐松(落葉松)尽くしのビル内茶室の玄関です。天井・丸柱・敷台・下駄箱全て唐松材を使用した作品です。写真⑫下駄箱の甲板の小口をよく見て下さい。木裏使いになっています。

唐松(落葉松)尽くしのビル内茶室の玄関

写真⑪:唐松(落葉松)尽くしのビル内茶室の玄関

唐松(落葉松)尽くしのビル内茶室の玄関

写真⑫:唐松(落葉松)尽くしのビル内茶室の玄関

この作品の材料は、私が納材しましたが、唐松の杢目の出方が木裏の方が良い為、木裏使いにあえて使った例です。地方では、空間部分天袋・地袋や下駄箱など”木裏使い”をする工務店さんが多いですが、やはり”木表使い”が正解です。

木表(きおもて)・木裏(きうら)についてのご紹介は以上です。続いて天然皮付板(てんねんかわつきいた)についてをご紹介いたします。

板について

板について、板の名称木表(きおもて)・木裏(きうら)について天然皮付板(てんねんかわつきいた)矢挽き(やびき)について、別けてご紹介いたします。

板について


”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し

木喰虫一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。

50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。

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