含水率とは、一枚板無垢材の中に含まれている「水の量」のことです。割れや反りなどが発生しづらい一枚板の含水率は15%以下です。気乾状態を過ぎた一枚板の含水率は、15%以下から低下し安定した状態となってきます。含水率28%の繊維飽和点から、含水率15%の気乾状態の間、つまり一枚板の含水率が28%から15%の間にあり、かつ28%に近い含水率の一枚板は、変形する可能性が高くなります。一枚板の含水率を測定するためには、含水率計が必要となってきます。

含水率の計測方法

含水率の理想値

一枚板割れ、反り、ねじれは、伐採された原木の中に含まれる水分が乾燥して蒸発していく過程で発生します。木の組織には、内膣と細胞壁があり、伐採前の両組織は、自由水と結合水で満たされています(飽水状態)。伐採直後の木は、少しずつ内膣から自由水が抜けていきます(生材状態)。そして、やがて内膣から自由水が完全に抜けきった含水率28%の状態となります(繊維飽和点)。細胞壁から結合水もやがて蒸発し無くなり、周囲の湿度とバランスが取れた含水率15%の状態となります(気乾状態)。そして、長い年月をかけて人工乾燥が進むことで、内膣と細胞壁に含まれる水分が完全に蒸発します(全乾状態)。一枚板の反りや割れは、一枚板に含まれる含水率が28%の状態である繊維飽和点と、含水率が15%の状態である気乾状態の間で発生しやすいとされています。

一枚板の含水率の理想値と反りや割れが発生する原因

計測方法

含水率を計測中の含水率計

含水率を計測中の含水率計

一枚板含水率は、含水率計を利用する事で簡単に測定する事ができます。含水率計の計測には2種類あります。一つは含水率を計測する樹種気乾比重の値を入力してから計測するタイプのものと、気乾比重の値を含水率計に入力しないタイプです。どちらのタイプも、含水率計の電源を入れたら含水率を計測したい樹種の上に、含水率計をかざすだけで含水率を簡単に計測することができます。

含水率を計測する水分計の詳細を確認する

割れ、反り、ねじれが発生しにくい一枚板の見分け方

割れ、反り、ねじれが発生しない一枚板の見分け方として、含水率の値が一つの要素となってきますが、木目の状態などによっても、一枚板割れ、反り、ねじれが発生し易いものと、し難いものに分かれてきます。割れ、反り、ねじれが発生しない一枚板の見分け方について、以下のページでまとめています。

割れ、反り、ねじれが発生しにくい一枚板の見分け方

一枚板テーブルに利用される無垢材の種類

一枚板テーブルは、国産と輸入ものがありますが、主に次のような樹種の無垢材が使われています。アサメラ、アフリカンマホガニー、アメリカンブラックチェリー、イロコ、ウエンジ、ウォールナット、クス、クリ、クルミ、ケヤキ、サペリ、セン、タブ、タモ、トチ、ナラ、パドック、べリ、モンキーポッド。それぞれの無垢材の特徴について、以下にまとめていきます。

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