無垢材とは、木の丸太から切り出すという部分のみ人の手が加わった天然素材です。木のぬくもりという表現がよく使われることがありますが、丸太から切り出した素材のため、触れると木の素材感(質感)がとてもよく伝わってくるのが無垢材の最大の魅力です。「無垢」とは、もとは仏教用語で人間が持つ妄念や欲望といった煩悩に穢れがなく、清く澄まされた純粋である様を表現します。つまり無垢材とは、自らの力のまま天然に育った木の素材そのものを利用した材料であることを意味します。「無垢材=天然で育った木そのもの」を表した言葉です。

無垢材とは

無垢材は、英語でソリッドウッド(Solid Wood)と呼ばれます。天然の丸太から切り出された素材のため、木の香りがとてもします。木には様々な種類がありますが、木の種類によって異なる香りを感じることができるのも無垢材ならではの楽しみです。

こちらは一関木材流通センターで撮影した桐の丸太から伸びる桐の新芽です。根っこが無い桐の丸太なのにも関わらず、新たな芽が伸びています。丸太は伐採されて丸太の状態でも生きています。無垢材は、生きたままの木から作り出される材料のため、質感、香りが格段に高いです。無垢材は生きた木から切り出された素材です。

桐の丸太から伸びる新芽(一関木材流通センターにて撮影)

桐の丸太から伸びる新芽(一関木材流通センターにて撮影)

特徴

無垢材は、人の手がほとんど加わっていない天然素材であるという点が最大の特徴です。無垢材に対して人の手を加えれば加えるほど、木が本来持つ素材感は、丸太から切り出されたそのままの状態と比較すると明らかに失われていくことになります。しかし、日常生活で無垢材を耐久性が高いものに仕上げて利用するという考えにおいては、人が無垢材に手を加えるという工程はメリットにもなります。

その代表的な例が塗装です。人工塗料(セラウッド、ウレタン等)や、自然塗料(オイル等)によって、無垢材がコーティングされれば、日常生活において無垢材を利用する際に汚れを防ぐ効果や、割れ、反り、ねじれを防ぐ効果を得ることができたり、杢目を際立たせることができます。ただし、無垢材に対して人の手を加えれば加えるほど、無垢材が持つ本来の木の素材感、香りといったものが損なわれていくことになります。

無塗装(無垢な状態)オイル塗装液体ガラス塗装ウレタン塗装セラウッド塗装を目の前に並べて触れてみることによってその違いを体感することができます。

無垢材に対して人が手を加えることは決して悪いことでは無く、無垢材を利用する人それぞれの利用用途、好み、価値観によって分かれてくるというのが正しい表現です。それぞれの塗装の種類と違いについては、以下のページでまとめています。

一枚板テーブルの塗装の種類と違いについて

その他、無垢材の主な特徴をまとめると、以下の内容となります。

  • 全てが唯一無二な完全一点もの。同じモノは二度と手に入れることができない完全オリジナル。
  • 無塗装(無垢な状態)であるほど、天然本来の魅力的な風合いを楽しむことができる。
  • 自然が作り上げた綺麗な杢目を楽しむことができる。特に日本の国産材については、四季がある中で成長を繰り返しているため、外材では見かけることが無い複雑な幾何学模様をした杢目を楽しむことができる。
  • 虫食い跡やスポルテッド杢自然乾燥の過程でできたカビの跡(アオ)などがそのまま残っている事が多く、人為的では無い自然が作り上げたデザインを楽しむことができる。
  • 経年変化によるキズや割れ、反り、ねじれがでる場合がある。
  • キズや汚れが付いても、無塗装(無垢な状態)オイル塗装液体ガラス塗装であれば、自らメンテナンスで修復することができる。ウレタン塗装セラウッド塗装の場合は、自ら修復させることは不可能。
  • 乾燥している時は水分を放出し、湿気の多い時は水分を吸収し、木に含まれる含水率が変動する事による保温、保湿効果がある。
  • 急激な温度、湿度変化に弱いため、室内の温度を一定に保った方がよい。
  • 化学物質を含まないため安心安全。
  • 自然のままの姿をしているため、ウォールナットの中には銃弾や有刺鉄線が含まれていた跡があったり、チークには像が鎖で引っ張った跡があったり、チェーンソーで切り倒された跡がそのまま残る栃(トチ)一枚板も過去に見かけたことがあります。一枚板の愛好家の中にはこの無垢な状態を好む人が多くいます。

種類

一枚板

一枚板とは
無垢材の中でも代表的なのが、一枚板です。一枚板は、無垢材のため、乾燥過程において、割れ、反り、ねじれといった問題が必ず発生します。これは無垢材が生きている証でもあり、魅力の一つでもあります。一枚板には様々な種類があり、一枚板を配置する部屋の雰囲気にあわせて、好みの種類(樹種)杢目の種類、目的に合わせた塗装の種類を選択する事ができます。一枚板の詳細は、以下のページでまとめています。

一枚板とは

古材

古材とは
古材とは、民家、工房、船、水車、お寺や神社などといった古い建造物を解体した際などに出てきた古い資材です。長い年月をかけて十分な自然乾燥が行なわれているため、割れ、反り、ねじれといった問題は発生し辛いです。深く歴史が刻まれた古材は、存在感があり、とてもよい雰囲気を醸し出す資材として、一般家庭の部屋、レストラン店舗のインテリアとしてマニアにとても人気があります。古材の詳細は、以下のページでまとめています。

古材とは

端材

端材

端材とは、ペン、ルアー、スプーン、フォーク、お皿、楽器などを作り上げるために無垢材から木取りされた木辺です。端材という呼び名ではなく、クラフト材と呼ばれ販売されていることもあります。小さなサイズの中にでも希少な杢目が詰まっていたり、虫食い模様がちりばめられた珍しく個性的な材料なども販売されています。端材の詳細は、以下のページでまとめています。

端材とは

無垢材購入前の基礎知識

一枚板古材敷板端材などの無垢材を購入する際に一番気になるのが、板の割れ、反り、ねじれです。絶対に割れない板、反らない板、ねじれない板はありません。無垢材は、割れ、反り、ねじれ等の変化が必ず生じるものであり、経年で変わり行く姿は無垢材の個性です。絶対に割れない、反らない、ねじれないテーブルを求めるのであれば、無垢材を選ばずに、集合材でできたテーブルを選択した方が無難です。無垢材は、人の手がほとんど加わっていない木そのものが持つ質感や香りを体感できる素材です。同じ材は二度と存在しない全てが唯一無二の限られた資源です。無垢材購入前の基礎知識について、以下のページでまとめています。

無垢材購入前の基礎知識

樹種の種類

無垢材の中でも一枚板端材には、とても豊富な樹種の種類があります。外材については、ワシントン条約の附属書Ⅰによって、国際間取引ができないように完全に規制されてしまっているものや、附属書Ⅱによって取引に成約がある樹種が多くあります。無垢材は限られた資源であり、今後更に希少価値が高まっていく可能性があります。国産材においても屋久杉に関しては2019年3月に銘木市場での入札が終了し、市場に出回る新規の数が今後増加する事が無かったり、2500年前の噴火の火山灰で埋もれていた神代などはそもそも流通する量が少なく希少です。無垢材の樹種は数多くありますが、外材国産材共に全て数に限りがある希少な資源です。

樹種の種類

杢目の種類

杢目は挽かれた板の表面に出る模様になります。年輪が全体に平行な状態で現れる柾目よりも、丸太の中心から離れた箇所で挽かれた板目側で複雑な杢目が発生しやすいとされています。また、杢目は木が生きた証が目に見える形となって現れた模様でもあります。斜面を成長する過程で発生する縮杢や、木が自らの病気を治そうとして発生する瘤杢などがあります。杢目の美しい無垢材は、人気や価格が高い傾向にあります。なかでも杢目が美しい一枚板は、価格が高いです。ただし、一枚板割れ、反り、ねじれは、柾目よりも杢目が発生しやすい板目側で発生する事が多くあります。一枚板を選定する際には、反りや割れが発生しない一枚板を見極めた上で、杢目が美しい一枚板を手に入れることができるとベストです。杢目の代表的な種類について、以下のページでまとめています。

杢目の種類

販売店検索

無垢材の中でも主に一枚板を販売している日本全国の家具店一枚板専門店材木店銘木店を以下のページから検索することができます。材木店と銘木店は、厳密には異なりますが、一枚板を購入するユーザ側の立場からすると、違いはほとんど感じられません。家具店一枚板専門店材木店銘木店それぞれの特徴と価格を十分把握した上で一枚板を購入するのがおすすめです。以下でまとめている一枚板の販売店一覧は、一枚板を販売している店舗を都道府県別に検索できるサイトが無かったため、自ら一枚板を購入する際に独自調査した内容を掲載しています。掲載内容に間違いや修正がある場合や、店舗、企業の新規掲載を希望する場合は、一枚板販売店舗情報修正・掲載依頼よりご連絡をお願いいたします。

販売店検索

販売店訪問記

販売店訪問記では、実際に訪れた無垢材を販売している家具店一枚板専門店材木店・銘木店についての情報をまとめています。実際に様々な店舗を訪れたり、インターネットを通じて一枚板古材敷板端材などを購入してみるとなぜか感じるのが、販売店によって無垢材に特徴の違いがあるという点です。その特徴の違いが具体的に何なのか?という点を分かりやすく説明するのは難しいのですが、無垢材を販売する気持ちや想いの特色が、無垢材に乗り移っているような感覚が私にはあります。無垢材は唯一無二な全てが一点モノという点は、無垢材を販売する世界中にあるお店に共通する点ですが、訪れる店舗によってそのお店の特徴が出るのは、無垢材を仕入れたり、作り上げたり、販売したりする人の気持ちや考え、方針の違いのためなのだと思います。本ページは、無垢材を購入する側の立場で、実際に訪れた店舗にて、写真撮影をさせていただいております。お店に訪れる前の雰囲気の確認などでご活用ください。

販売店訪問記