一枚板が通常の家具と大きく違う点は、無垢材で出来ているということです。無垢材で出来ているという事は、割れや反りなどが発生する可能性があり、その変化も楽しめることが、通常の家具と異なる一枚板の特徴でもあります。割れたり反ったりした場合、修理してくれる家具店や一枚板専門店もありますが、もともと工務店などに対して一枚板を販売しているような材木店や銘木店は、「一枚板は、必ず変化するもの。」という前提条件のもと小売販売を行なう店舗も沢山あります。一枚板を購入するということは、割れや反りが発生するものという点を必ず理解した上で、購入する事がとても大切になってきます。自然のままの素材である無垢材で出来た一枚板は、「触れたり眺めたりすると自然のパワーを感じる。」という方もいれば、「世界にたった一つしかない完全オリジナルな家具。」という点に魅力を感じる方も多くいます。でも、そんな魅力的な一枚板を実際に購入しようとすると、「どこで購入できるのだろう?」、「どんな種類があるんだろう?」、「含水率って何?」、「割れや反りが発生しない一枚板って無いの?」、「価格が安い無垢材から自ら塗装まで仕上げられないの?」といった沢山の疑問が出てきます。一枚板を購入する側の立場で、いろいろと疑問に思った事などを自らの体験談をもとに、一枚板購入前の基礎知識としてまとめてみました。

一枚板購入前の基礎知識

一枚板のメリットとデメリット

一枚板を購入する初心者だと、「一枚板は、一般的な家具と異なり天然の無垢材が使われた価格が高いテーブル。」ということぐらいしかイメージが無いと思います。私も一枚板を初めて購入する際には、それぐらいの知識しかありませんでした。一枚板を購入する際に、一番気をつけなくてはならないのが、普通の家具と異なり、無垢材であるため割れたり、反ったり、ねじれたりする可能性がとても高い家具であるという点です。一枚板を購入する前に、知っておきたいメリット、デメリットを以下のページにまとめてみました。

一枚板のメリットとデメリット

一枚板ができるまでの工程

一枚板が商品として販売されるまでには、とても長い年月がかかっています。主な工程は、木の伐採、買付、輸入、木取り製材乾燥、加工、塗装の工程となり、更にはもっと細かい工程があります。一枚板は、乾燥だけでも2年から10年もの月日がかかっています。また、幅90センチとなると、樹齢数百年となり、このような木が取れる場所も限られており、多くはアフリカや東南アジアなどの限られた地域に限定されており、毎年ワシントン条約での規制が厳しくなってきています。一枚板ができるまでの工程と、それぞれの工程の特徴について、以下のページでまとめています。

一枚板ができるまでの工程

一枚板の含水率の理想値と反りや割れが発生する原因

一枚板割れ、反り、ねじれは、伐採された原木の中に含まれる水分が乾燥して蒸発していく過程で発生します。木の組織には、内膣と細胞壁があり、伐採前の両組織は、自由水と結合水で満たされています(飽水状態)。伐採直後の木は、少しずつ内膣から自由水が抜けていきます(生材状態)。そして、やがて内膣から自由水が完全に抜けきった含水率28%の状態となります(繊維飽和点)。細胞壁から結合水もやがて蒸発し無くなり、周囲の湿度とバランスが取れた含水率15%の状態となります(気乾状態)。そして、長い年月をかけて人工乾燥が進むことで、内膣と細胞壁に含まれる水分が完全に蒸発します(全乾状態)。一枚板の反りや割れは、一枚板に含まれる含水率が28%の状態である繊維飽和点と、含水率が15%の状態である気乾状態の間で発生しやすいとされています。

一枚板の含水率の理想値

一枚板の割れ、反り、ねじれについて

一枚板を購入する際に、必ずと言ってよい程、「割れ反りねじれ」という言葉を聞きます。無垢材である一枚板は、乾燥の過程において、必ず変化をします。普段から無垢材に触れている人にとっては、「割れ反りねじれ」という言葉はとても一般的なのですが、初めて一枚板を購入する人にとっては、一枚板が、割れる反れるねじれるという変化がどのようなモノか理解する事ができません。それぞれの違いについて、以下のページでまとめています。

一枚板の割れ、反り、ねじれについて

反りや割れが発生しない一枚板の見分け方

割れ、反り、ねじれが発生しにくい一枚板の見分け方は、含水率が15%に近い状態であるか?という点と、木目の動き、節や芯の有無を確認するという点が大きなポイントです。複数気に入った一枚板が目の前にある時、自分の好みだけで選んでしまって大丈夫なのだろうか?と悩んだ場合、一枚板を選ぶ際の一つの判断ポイントとして参考になる情報についてまとめてみたいと思います。なお、無垢材は必ず割れ、反り、ねじれが発生するものであり、それもまた無垢材の魅力であるという意識は常に持っておく事も大切なポイントです。

反りや割れが発生しない一枚板の見分け方

一枚板の塗装の種類と違いについて

無垢材である一枚板テーブルに対しての塗装は、主に塗装無しの完全な無垢な状態オイル塗装液体ガラス塗装ウレタン塗装セラウッド塗装に分類されます。一枚板に対して塗装を行なう大きな理由は2種類あります。一つ目が、一枚板の割れ、反り、ねじれといった問題を回避するという点です。二つ目が一枚板を汚れから保護し、経年変化を防ぐという点になります。どの塗装が一番優れているか?という事では無く、それぞれの塗装にメリット、デメリットがあり、購入時の要望によって塗装の選択肢が別れてきます。塗装の種類と、それぞれの違いについて以下のページでまとめています。

一枚板の塗装の種類と違いについて

どこで購入する?一枚板を購入できる場所とそれぞれの特徴と価格

一枚板を購入する際、初心者だと真っ先に脳裏に浮かぶのが家具屋や一枚板専門店です。インターネットでも注文することができますが、一枚板の購入検討を行ないながら様々なサイトや店舗を見ていると気になるのが、価格の差がものすごい大きいという点です。様々な家具店や一枚板専門店へ実際に足を運び、一枚板を目の当たりにしながら購入してきたのと、インターネットを通じて価格が安い一枚板を実際に注文してみた立場でいろいろな気づきがありました。これから一枚板を初めて購入する方の参考になるように、材木店、工務店、家具店、一枚板専門店では、価格に何故大きな差があるのか?という点に的を絞って、一枚板を購入することができるそれぞれの企業やお店の特徴についてまとめると、以下のような内容となります。

どこで購入する?一枚板を購入できる場所とそれぞれの特徴と価格

材木店、銘木店で購入した一枚板で自作する

材木店や銘木店で販売されている一枚板は、家具店一枚板専門店で販売されている一枚板と異なり、製材機で無垢材一枚板のサイズに切り出され、割れ止めが塗られている状態で販売されているケースがほとんどです。安いからという理由だけで、材木店・銘木店一枚板を購入しても、購入直後からその一枚板をテーブルとして利用することはできません。購入後に一枚板テーブルとして利用できるように仕上げを行なう必要があります。仕上げとは、割れ止めを削り取った後に、一枚板を水平にし、最後塗装を行なうといった内容となります。材木店、銘木店で一枚板を購入した際、仕上げまでどのような作業工程があるのかについて、実際に梶本銘木店で購入した神代栗一枚板を例にご紹介いたします。

材木店、銘木店で購入した一枚板で自作する

一枚板で人気の種類は?

一枚板には沢山の樹種の種類があります。日本全国で一枚板を販売している店舗で取り扱われている一枚板樹種で在庫数が多いほど人気が高い事が言えます。実際に調査を行なってみたところ、ウォールナット一枚板として販売されている割合が最も高く全体の23.2%。続いて栃(トチ)が人気で7.3%。その次がブビンガで5.4%という割合となっています。

一枚板で人気の種類は?

価格が高く、希少価値が高い一枚板とは?

全てが唯一無二の一枚板。希少価値を決めるポイントは希少性です。珍しい樹種で、ダイニングテーブルにも利用できる幅が90cm以上の一枚板となってくると、かなり高額となってきます。木の選定は不思議なもので、その人自身の価値観がとてもよく現れます。ギラギラした杢目が詰まった一枚板を毎日眺めながら食事をしていると疲れてしまうという方もいますし、樹種にこだわりは無く、見た目が古材風でビンテージ感がある一枚板がおしゃれで好きという方もいます。他人に惑わされることなく、自らの価値観でお気に入りの一枚板を探す事が最終的にはベストです。

価格が高く、希少価値が高い一枚板とは?

初心者におすすめ一枚板テーブル購入時のチェックリスト

初めて一枚板を購入する際に、「何を基準に選べばよいか分からない。」と思う初心者の方のために、購入時のチェックリストをまとめてみました。一枚板を購入する初心者向けにまとめてみたのですが、一枚板を市場などから仕入れるチェックリストともしかしたらあまり変わらないのかな?とも思っています。一枚板を購入する際の参考情報としてご活用ください。

初心者におすすめ一枚板テーブル購入時のチェックリスト