全てが唯一無二の一枚板。希少価値を決めるポイントは希少性です。珍しい樹種で、ダイニングテーブルにも利用できる幅が90cm以上の一枚板となってくると、かなり高額となってきます。木の選定は不思議なもので、その人自身の価値観がとてもよく現れます。ギラギラした杢目が詰まった一枚板を毎日眺めながら食事をしていると疲れてしまうという方もいますし、樹種にこだわりは無く、見た目が古材風でビンテージ感がある一枚板がおしゃれで好きという方もいます。他人に惑わされることなく、自らの価値観でお気に入りの一枚板を探す事が最終的にはベストです。

希少価値が高い一枚板とは?

ワシントン条約に該当する木

一枚板として利用される無垢材の中には、ワシントン条約に該当する樹種が中にはあります。特に希少価値が高いのがローズウッドと呼ばれる無垢材です。その中でも最高級の無垢材は、ブラジリアンローズウッドです。ワシントン条約の附属書Ⅰに該当する無垢材のため、商用目的での国際間取引は完全に規制されているため、新規で海外から輸入できる可能性はほぼゼロです。また近年では、ローズウッドの他にもブビンカもワシントン条約の附属書Ⅱに該当してきたため、価格が上昇する可能性が非常に高い無垢材です。

ワシントン条約に該当する一枚板に利用される無垢材の種類

自然保護区の為伐採が禁止されている木

海外には沢山の自然保護区があります。自然保護区の木を伐採する事は法律で禁止されているため、一枚板として流通する事はありません。日本にも自然保護区で伐採が禁止されている木があります。その代表が小笠原桑です。瘤杢(こぶもく)・瘤杢目(こぶもくめ)の紹介ページで、小笠原桑の写真を掲載しています。日本の固有種、屋久杉の一枚板も希少価値が高いです。

銘木と呼ばれる木

日本には”銘木”という言葉があります。日本人と木の関係には深い歴史があり、昭和の時代には、各都道府県に銘木識別委員会が設置されていました。銘木の定義については、以下のページでまとめています。

希少な杢目の木

木の杢目には様々な種類がありますが、銘木の定義のページにも記載している通り、特に希少価値が高い杢目は、笹杢鶉杢中杢蟹杢如鱗杢葡萄杢柾目(糸柾・荒柾)です。木の杢目と日本の文化、和柄には非常に面白い親和性があります。

杢目のバランスが良い木

杢目においては、希少価値の他にも、杢目のバランスを知る事もとても大切です。杢目のバランスの見方については、一枚板購入時の注意点についてまとめたページをご確認ください。

四方無地の木

一枚板に傷、節、芯、虫食い等が無い事を”無地”と呼びます。無地には、平一面無地、かね無地、三方無地、四方無地と4種類があります。それぞれの詳しい内容については、化粧面の表示(無地)についてのページでまとめています。”無地”の逆が”欠点”です。一枚板の欠点として代表的なのが、不乾燥材、割れ、反り、ねじれです。これに歪み、縮みも欠点に含まれます。これらは、木の特性として仕方ないと販売時に説明をする店舗もあるのですが、木のいろはにほへと(わかりやすい木のお話し)に寄稿いただいている木喰虫さんにお話をお伺いしたところ、これら欠点の大半は、販売店側の責任との事でした。厳密には販売店側で解消できる問題と、解消できない問題に分類されます。その具体的な内容については、木材の欠点についてのページでまとめています。

幅の広さ

一枚板の幅は、木の太さによって決まってきます。木の太さがあればあるほど、その木の樹齢は長いことを意味し、樹齢何百年、何千年という木も中には存在します。

縦の長さ

一枚板には、縦の長さが2メートル、3メートル、4メートルを越えるような無垢材があります。縦の長さが長ければ長いほど、完成までの手間もかかっており、価格は高額になっていきます。

板の厚さ

日本国内で購入できる一枚板の板の厚さは、ほとんどが6センチ以下です。10センチ、10センチ以上の厚さの一枚板を見かけることはほぼありません。板の厚さが厚ければ厚いほど、その一枚板の迫力や重厚感が高まります。その反面、厚みがあると重たく移動が難しいというデメリットもあります。

一枚板購入時の基礎知識

一枚板が通常の家具と大きく違う点は、無垢材で出来ているということです。無垢材で出来ているという事は、割れ、反り、ねじれなどが発生する可能性があり、その変化も楽しめることが、通常の家具と異なる一枚板の特徴でもあります。割れたり反ったりした場合、修理してくれる家具店や一枚板専門店もありますが、もともと工務店などに対して一枚板を販売しているような材木店や銘木店は、「一枚板は、必ず変化するもの。」という前提条件のもと小売販売を行なう店舗も沢山あります。一枚板を購入するということは、割れや反りが発生するものという点を必ず理解した上で、購入する事がとても大切になってきます。自然のままの素材である無垢材で出来た一枚板は、「触れたり眺めたりすると自然のパワーを感じる。」という方もいれば、「世界にたった一つしかない完全オリジナルな家具。」という点に魅力を感じる方も多くいます。でも、そんな魅力的な一枚板を実際に購入しようとすると、「どこで購入できるのだろう?」、「どんな種類があるんだろう?」、「含水率って何?」、「一枚板テーブルの塗装の種類と違いって何?」、「割れや反りが発生しない一枚板って無いの?」、「価格が安い無垢材から自ら塗装まで仕上げられないの?」といった沢山の疑問が出てきます。一枚板を購入する側の立場で、いろいろと疑問に思った事などを自らの体験談をもとに、一枚板購入前の基礎知識としてまとめてみました。

一枚板購入前に知っておくと便利な基礎知識