不乾燥品・歪(ゆがみ)・曲り・割れ等の板の欠点は、ここではあえて述べていません。不乾燥品・歪(ゆがみ)・曲り・割れ等の板の欠点について知りたい場合は、木材の欠点についてご確認下さい。
一枚板購入時の注意点
一枚板を買う時の注意点として、一枚板の基本的な見方・買い方をイラストを使ってお伝えいたします。
一枚板の正しい選び方
①は、杢が真中(まんなか)に伸びていて、左右上下バランス良く見た目も欠点の無い材です。杢(総杢)であっても見方は同じで、バランスが重要です。
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②は杢が片側に寄っています。極端な例ですが、見た目もバランスを欠いています。生活の中で使うお盆や俎(まないた)1つ買うにも、真中に杢が乗っている物は、後にも狂いが無く、永く利用できます。
片杢目はバランスに欠ける。 -
③一見杢があって、魅力がある板ですが、育った時の癖(くせ)・捻れ・当て(木が硬い)など、後で問題が起きます。
杢芯が曲っている板は避ける。 -
④上でも下でも通称目玉(めだま)がある杢板材は、背部分やふくらみ部分で取材した跡が読み取れ、杢のバランスも悪く避けた方が賢明です。
目玉杢はバランスに欠ける。 -
⑤上下洞(ウロ)の部分をカットした板材です。大きな割れがあったり、何本かの割れに、化粧の契(ちぎり)材を意匠として入れています。このようなデザインは、欧米でよく使うパターンですが、本当にデザイン意匠で入れているのか疑わしい事があります。中には何でこの部分に契(ちぎり)が入っているのか、理解できない作品も多く見られます。
本割れの確認・契(ちぎり)を疑へ。 -
⑥俗に言うラッパ型です。厚い盤の重厚な作品に多いですが、根の張りや両天然皮付の場合、いろいろと問題が多い作品です。サイズによっては非常に使い辛いケースがあります。どうしても根の張り部分に目が行きます。
杢に惑わされず、利便性、サイズの確認を!! -
⑦不規則な形や片耳・片天然皮付・横木・木取り材は、後に問題を起こす要因で①のように、全て欠点の無い物を優先する考えを持つべきです。
自分の審美眼と視覚を信じて!!
一枚板選びの重要なポイント
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「B」は、巾3尺(90センチメートル)以上の中板目の盤です。このクラスになると原木の大きさから、当然側(こば)には杢目が走ります。
板に余裕が感じられるか? - 上記「A」「B」で理解して頂きたいのは、90センチメートル以上のゆったりとした巾と60センチメートル巾では、板に乗っている杢目の窮屈(きゅうくつ)さや、タップリとした杢目の差を視覚で感じて欲しいのです。側(こば)に60センチメートルの板の杢目が有る事が悪いと言っている訳ではありません。
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「C」はもともと板、または丸太で巾広く取れるのですが、巾を詰めてタップリ取った板です(赤線の部分をカットした事になります)。小口年輪からすると、必ず柾目の側(こば)が現れます。同じ板でも、プロが余裕ある板巾から取材された物は、視覚的に安定感やゆとりさえ感じられるから不思議です。
側(コバ)の柾目の変化を見る。 -
「D」の側(こば)をよく見て下さい。杢が大きく波打っています。大きく波打った上部に、目玉杢が有ります。側(こば)を見ただけで、どのような原木から引き出されたのか、鏡写し(かがみうつし)のように大面の杢目と一致します。後で難が発生する恐れがあります。
”木”の製材された過去を見る。
以上まとめますと、板の体面の各杢目模様も大事ですが、板の来歴(らいれき)をも読み取れる側(こば)の杢目も重要なポイントです。
木・板購入時の注意点について
木・板購入時の注意点について、立木(たちぎ・りゆうぼく)購入時の注意点、原木(げんぼく)・原太(げんた)購入時の注意点、一枚板購入時の注意点に別けてご紹介いたします。
”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し
一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。
50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。