如(じょ)とは、「何々のごとく」、「何々のようだ」、「何々のごとし」など何かに似ている物を差す、比べる時の言葉です。よって、如鱗杢(じょりんもく)・如鱗杢目(じょりんもくめ)とは、魚の鱗(うろこ)に似た杢目状の杢目を指します。しかし、私は教本によく掲載されている欅(けやき)の代表的な如鱗杢目(じょりんもくめ)なるものを若い時代に目に映りこんだ写真の杢目は、魚の鱗(うろこ)には見えません。いつも悩んだ杢目の一つです。これから紹介する写真が代表的な如鱗杢目(じょりんもくめ)であると私は思います。

如鱗杢目(じょりんもくめ)

如鱗杢目(じょりんもくめ)が出た様々な樹種

如鱗杢目(じょりんもくめ)が出た様々な樹種をご紹介いたします。以下の写真4枚を横から写しますと、縮杢(ちじみもく)の出方により、また大小により鱗状の杢目が連なって見え、今日的な如鱗杢目(じょりんもくめ)として通じると思います。

ブビンガ

写真①は、アフリカ産のブビンガ材の如鱗杢目(じょりんもくめ)です。冬目の立ちは、熱帯樹林なので少し細い感はありますが、欅の如鱗杢目(じょりんもくめ)と重なるイメージがあります。

アフリカ産のブビンガ材の如鱗杢目(じょりんもくめ)

写真①:アフリカ産のブビンガ材の如鱗杢目(じょりんもくめ)

栃(トチ)

写真②は、日本産栃(トチ)材の如鱗杢目(じょりんもくめ)です。少し鱗の1辺が大きいです。

日本産栃(トチ)材の如鱗杢目(じょりんもくめ)

写真②:日本産栃(トチ)材の如鱗杢目(じょりんもくめ))

写真③も日本産の栃(トチ)の如鱗杢目(じょりんもくめ)です。逆だった鱗状の杢目です。

日本産栃(トチ)材の如鱗杢目(じょりんもくめ)

写真③:日本産栃(トチ)材の如鱗杢目(じょりんもくめ)

杉(スギ)

写真④は、日本産社寺杉の如鱗杢目(じょりんもくめ)です。板の皮部分に、タテの縮杢(ちじみもく)が走っていて、魚の鯖(さば)の腹部にも似ています。

日本産社寺杉の如鱗杢目(じょりんもくめ)

写真④:日本産社寺杉の如鱗杢目(じょりんもくめ)

欅(ケヤキ)の如鱗杢目(じょりんもくめ)としてよく目にしてきた杢目

人間最初に目に映った杢目が頭の中に残っていて、この如鱗杢目(じょりんもくめ)のイメージを再発見するには、杢目の基本となる材面を再考しなければなりません。

欅(ケヤキ)の如鱗杢目(じょりんもくめ)としてよく目にしてきた杢目

欅(ケヤキ)の如鱗杢目(じょりんもくめ)としてよく目にしてきた杢目

皆さんは、本当にこの欅(ケヤキ)の玉杢(たまもく)が、魚の鱗の連なった杢目に見えますか?

当時魚で鱗(うろこ)の有る魚と言えば、海では鯛(タイ)が代表と思われ、川沼では時代的に言って、鯉(こい)と思われますが、鱗(うろこ)の形状の連なり方は、両者に一番近いと思われる杢目は今まで見た事がありません。したがって、鱗(うろこ)状に連なった杢目を鱗(うろこ)の如し(ごとし)と言ったのではないでしょうか?

杢目(もくめ)の種類

木の杢目(もくめ)には様々な種類があります。図は一本の杉原木からのいろいろな杢目を木取るイメージとなっていますが、このイメージから把握できる通り、同じ樹種でも木取る場所が異なれば、違う杢目(もくめ)が現れます。杉の例となりますが、杢目を木取る区分としては、白太(辺材)(しらた)、純白・白杢(じゅんぱく・しらもく)、源平・耳白杢(げんぺい・みみじろもく)、上杢目(じょうもくめ)、笹杢・中笹杢目(ささもく・なかささもくめ)、中板目(なかいため)、中杢目(なかもくめ)、追い柾・荒柾(あらまさ)、本柾目(ほんまさめ)に分類されます。杢目(もくめ)の種類をご確認いただく前に、木目(もくめ・きめ)と杢目(もくめ)の違いについて杢目(もくめ)と斑杢(ふもく)の違いについて杢目はどうして生まれるのか?も合わせてご確認ください。

杢目(もくめ)の種類


”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し

木喰虫一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。

50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。

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