白杢(しろもく)・純白杢(じゅんぱくもく)のご紹介です。
目次
白杢(しろもく)・純白杢(じゅんぱくもく)
写真①は、杉の白太(生長層)の年輪が積んでいて、白太が深い(厚み60ミリメートル)が原木の円周に廻っているような材から得られる源平杢(げんぺい)や耳白(みみじろ)と異なり、白一色で白太部分が製材時に現れる杢目を白杢(しろもく)・純白杢(じゅんぱくもく)です。
特に天井板の用材となると、枚数(数量)が部屋の大きさにより異なりますが、大径材の白太部分を狙っての製材で、何十枚と白杢目が揃った物は、大変貴重です。この白太の天井材に挽き漆を施し(寒冷地の為)、天井を張る北陸地方が有名です。漆による経年変化で、飴色(あめいろ)になった天井は素晴らしいの一言です。
写真②は、純白杢(じゅんぱくもく)です。こちらの写真の様な目にやさしい笹杢系は、茶室小間の1部分(落天井、掛け込み、点前天井)に使うと、茶室全体が締まり、デザイン的にも視覚的にも面白い作品が生まれます。白杢(しろもく)を使う場合、必ず廻椽・竿椽も天井面と同様、白(白太材)を使うのが御約束です。
よくある質問と回答
質問:天井材以外で白杢(しろもく)の使われ方はありますか?
回答:写真「A」は、茶室琵琶(びわ)床上の天井矢羽根組みです。目の積んだ杢目がある白杢(しろもく)を網代(あじろ)張りに細く割り裂き使った例です。
写真「B」は、ドア材などの赤身の材の中に白杢(しろもく)を1枚入れるだけで、粗々とした野趣有る部屋となります。白杢は指物細工物の1部分によく使われます。
写真「C」は、茶室立礼室(りゆうれいしつ)の天井網代組例です。杉赤身材と白杢材のコンビで使った例です。天井下の欄間(らんま)も神代杉と杉柾のめずらしいコンビです。欄間の絵柄は、神代がカボチャ桐紋、杉柾には茶で使う茶筅(ちゃせん)が象嵌(ぞうがん)されています。ビル内の茶室視線に変化を齎して(もたらして)くれます。
白杢・純白杢のご紹介は以上です。続いて人面杢・人面杢目をご紹介いたします。
杢目(もくめ)の種類
木の杢目(もくめ)には様々な種類があります。図は一本の杉原木からのいろいろな杢目を木取るイメージとなっていますが、このイメージから把握できる通り、同じ樹種でも木取る場所が異なれば、違う杢目(もくめ)が現れます。杉の例となりますが、杢目を木取る区分としては、白太(辺材)(しらた)、純白・白杢(じゅんぱく・しらもく)、源平・耳白杢(げんぺい・みみじろもく)、上杢目(じょうもくめ)、笹杢・中笹杢目(ささもく・なかささもくめ)、中板目(なかいため)、中杢目(なかもくめ)、追い柾・荒柾(あらまさ)、本柾目(ほんまさめ)に分類されます。杢目(もくめ)の種類をご確認いただく前に、木目(もくめ・きめ)と杢目(もくめ)の違いについて、杢目(もくめ)と斑杢(ふもく)の違いについて、杢目はどうして生まれるのか?も合わせてご確認ください。
”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し
一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。
50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。