蟹杢(かにもく)・蟹杢目(かにもくめ)についてのご紹介です。
目次
蟹杢(かにもく)・蟹杢目(かにもくめ)
蟹杢(かにもく)・蟹杢目(かにもくめ)は、業界では”ガニ杢”とも言います。代表的な樹種は栂(つが・とが)・松(まつ)・杉(すぎ)など、やはり針葉樹から現れる事が多いです。
蟹(かに)の甲羅を飛ばした様な杢目立(もくめだち)を表現した杢目名(もくめめい)です。
使用例
写真③④は、栂(つが・とが)の蟹杢目(かにもくめ)を生かした、指物文庫箱(ぶんこばこ)です。表面は、全て拭き漆し仕上げ、中・外箱も同じ材から取材した共木(ともぎ)、箱の側(こば)にも蟹杢が浮き出ている美品です。
写真⑤は、屋久杉(薩摩杉)の蟹杢(かにもく)・蟹杢目(かにもくめ)の天井板です。見事な杢目立ちをしています。部屋の欄間は、杉柾板に家紋を屋久杉、桐の象徴の四君子(しくんし)、菊の透かし欄間です。天井の力強い”動”と欄間の”静”の組み合わせです。
よくある質問と回答
質問:蟹杢(かにもく)・蟹杢目(かにもくめ)は、どんな原木に現れる杢目ですか?
回答:写真⑥の様に、樹幹自体に瘤(こぶ)目が発生する”デコボコ”のタテ振れにより、この様な杢目が現れます。同じ樹種でも自然条件や立地条件により異なります。自然が成す技(わざ)の一つです。
蟹杢・蟹杢目のご紹介は以上です。続いて蛙杢・蛙杢目をご紹介いたします。
杢目(もくめ)の種類
木の杢目(もくめ)には様々な種類があります。図は一本の杉原木からのいろいろな杢目を木取るイメージとなっていますが、このイメージから把握できる通り、同じ樹種でも木取る場所が異なれば、違う杢目(もくめ)が現れます。杉の例となりますが、杢目を木取る区分としては、白太(辺材)(しらた)、純白・白杢(じゅんぱく・しらもく)、源平・耳白杢(げんぺい・みみじろもく)、上杢目(じょうもくめ)、笹杢・中笹杢目(ささもく・なかささもくめ)、中板目(なかいため)、中杢目(なかもくめ)、追い柾・荒柾(あらまさ)、本柾目(ほんまさめ)に分類されます。杢目(もくめ)の種類をご確認いただく前に、木目(もくめ・きめ)と杢目(もくめ)の違いについて、杢目(もくめ)と斑杢(ふもく)の違いについて、杢目はどうして生まれるのか?も合わせてご確認ください。
”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し
一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。
50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。