従来から一枚板の塗装として主流なのがウレタン塗装です。ウレタン塗装では、厚みがある透明なプラスチックのような塗料のため、撥水性、耐透水性、耐久性に優れています。ただし熱に弱く、ウレタン塗装の上に熱い器などをのせてしまうと跡が残ってしまったり、傷を付けてしまった場合には自ら再塗装を行なうことができないなどメンテナンス性に劣ります。経年変化を楽しむことができるのですが、表面についた傷が目立ち易いというデメリットがあります。経年で古材のような風合いに変化していくというよりは、場合によっては表面についた傷が目立ちすぎ、10年、20年経過したら外注でメンテナンスに出すというようなケースも発生してくる可能性があります。新しい無垢材の一枚板が、経年変化によって古材のように変化していく様子を楽しみたい場合は、表面の傷が目立ちにくいオイル塗装にするという選択肢もあります。ウレタン塗装の中には、紫外線対策が施され経年変化が発生しずらいタイプもありますが、テーブル上についた傷が目立ち易いというデメリットがあります。ウレタン塗装は木の自然な触り心地(無垢感)が損なわれるため、触った感触はプラスチックやアクリルに触れているような感触となります。汚れが付いてしまった場合など、簡単に拭き取ることができるので、レストランやカフェなど、不特定多数の人が多く利用するような場面に有効な塗装方法でもあります。

ウレタン塗装

特徴

ウレタン塗装の特徴は、表面が塗料で覆われることからテーブル上に液体をこぼした場合や、テーブルが汚れてしまった場合に拭き取ることができ耐久性がある点です。表面が塗料で覆われることから、天然の無垢材の質感、香りはほとんど感じられなくなります。

メリット、デメリット

ウレタン塗装の一枚板テーブルのメリット、デメリットは以下の通りです。

メリット

  • 一枚板の割れ、反り、ねじれのリスクを下げることができる。
  • 木の表面が塗装で覆われることから、テーブルに液体をこぼした場合や、テーブルが汚れてしまった場合は拭き取ることができる。
  • 天然状態の杢目を引き立たせることができる。

デメリット

  • 塗装無しオイル塗装液体ガラス塗装と比較すると木の質感を感じることができない。
  • 塗装無しオイル塗装液体ガラス塗装と比較すると木の香りを感じることができない。
  • 小さな傷や割れが発生しても目立つ。
  • 傷や汚れが付いてしまった場合は、自ら修理することができないのでメンテナンス性が低い。
  • 紫外線対策が施されていないウレタン塗装の場合は、紫外線に弱いため経年変化(変色)が発生しやすい。
  • 耐熱性に弱く200度以上の高温には耐えられない。
  • 価格が高価。

ウレタン塗装に適した樹種

ウレタン塗装は、様々な樹種にあいます。ただし、神代など塗装を行なうと無垢材時の灰褐色から茶褐色へと変化する樹種があるため、塗装後の見た目に不安がある場合は、無垢材時に表面を水で濡らして塗装後の状態を試しに事前確認しておく必要があります。

状態

ウレタン塗装の花梨(カリン)

ウレタン塗装の花梨(カリン)

上記の写真は、ウレタン塗装を行なった花梨(カリン)です。塗装無しの状態と比較すると、杢目が目立つようになりますが、無垢材本来の自然な状態では無くなる代わりに、割れ、反り、ねじれといった問題を軽減することができます。上記の写真は、セラウッド塗装を行なったアッシュです。塗装無しの状態と比較すると、杢目が目立つようになりますが、無垢材本来の自然な状態では無くなる代わりに、割れ、反り、ねじれといった問題を軽減することができます。また、熱や紫外線による劣化を防ぐ事ができるため、経年変化を軽減させることができます。

セラウッド塗装の一枚板について

一枚板テーブルの塗装の種類と違いについて

無垢材である一枚板テーブルに対しての塗装は、主に塗装無しの完全な無垢な状態オイル塗装液体ガラス塗装ウレタン塗装セラウッド塗装に分類されます。一枚板に対して塗装を行なう大きな理由は2種類あります。一つ目が、一枚板の割れ、反り、ねじれといった問題を回避するという点です。二つ目が一枚板を汚れから保護し、経年変化を防ぐという点になります。どの塗装が一番優れているか?という事では無く、それぞれの塗装にメリット、デメリットがあり、購入時の要望によって塗装の選択肢が別れてきます。塗装の種類と、それぞれの違いについて以下のページでまとめています。

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一枚板購入時の基礎知識

一枚板が通常の家具と大きく違う点は、無垢材で出来ているということです。無垢材で出来ているという事は、割れ、反り、ねじれなどが発生する可能性があり、その変化も楽しめることが、通常の家具と異なる一枚板の特徴でもあります。割れたり反ったりした場合、修理してくれる家具店や一枚板専門店もありますが、もともと工務店などに対して一枚板を販売しているような材木店や銘木店は、「一枚板は、必ず変化するもの。」という前提条件のもと小売販売を行なう店舗も沢山あります。一枚板を購入するということは、割れや反りが発生するものという点を必ず理解した上で、購入する事がとても大切になってきます。自然のままの素材である無垢材で出来た一枚板は、「触れたり眺めたりすると自然のパワーを感じる。」という方もいれば、「世界にたった一つしかない完全オリジナルな家具。」という点に魅力を感じる方も多くいます。でも、そんな魅力的な一枚板を実際に購入しようとすると、「どこで購入できるのだろう?」、「どんな種類があるんだろう?」、「含水率って何?」、「一枚板テーブルの塗装の種類と違いって何?」、「割れや反りが発生しない一枚板って無いの?」、「価格が安い無垢材から自ら塗装まで仕上げられないの?」といった沢山の疑問が出てきます。一枚板を購入する側の立場で、いろいろと疑問に思った事などを自らの体験談をもとに、一枚板購入前の基礎知識としてまとめてみました。

一枚板購入前に知っておくと便利な基礎知識