私と同じ一枚板を購入する側の立場の方々は、一枚板と聞くと”高価”という印象を持たれる人が多くありませんか?都心で働くサラリーマンで、毎日早朝の満員電車で出社し、終電で帰宅する日々を20年近く過ごしていると、一枚板といえば”金持ちが所有する贅沢品”ぐらいの印象しかありませんでした。しかし、サラリーマン生活を終え、無垢材一枚板と初めて出会った時、一枚板は、お金に余裕がある人が持てる物では無く、気持ちに余裕がある人が持てる物だという事に気が付きました。家具店一枚板専門店で販売されている一枚板は高価です。”家具”として販売されている一枚板は、加工や塗装が施されれば施される程工賃が乗り、都心の一等地で販売されていれば、テナント代も当然商品の中に含まれ一枚板は高価になります。一枚板を求め、家具店一枚板専門店だけで無く、材木店・銘木店にまで足を運ぶようになった時、ある材木店で「木は本来安いのに、販売する側の欲望や人件費によって価格が高騰している。」と言われた時、「なるほど」と思いました。

激安で購入した安い一枚板について

安い激安一枚板が欲しい気持ちは、購入する側だけでなく、一枚板を販売する側も思っています。それは何故か?無垢材は、自然からの産物である為、野菜や魚と同じように、定期的に市場で競りが行われている為です。一枚板を初めて購入する側の立場ですと、無垢材市場のイメージがよく掴めない方が多いかと思います。無垢材市場は、大きく分けて、丸太の状態で競りにかけられている場所(原木市場、例:一関木材流通センター)と、既に製材され木の表情が見える状態で競りにかけられる場所(製品市場、例:東京銘木協同組合)があります。安い一枚板を購入する際には、一枚板の流通経路を知る所から始めます。

一枚板の流通経路

一枚板は主に、以下のような流通経路をたどります。

  1. 山(立木の伐採)
  2. 原木市場(丸太の競り市場)
  3. 製材所(丸太から一枚板の製材)
  4. 製品市場(一枚板の競り市場)
  5. 問屋(原木市場、製品市場に入れる材木店・銘木店が競り落とした丸太、一枚板の卸販売)
  6. 材木店・銘木店家具店一枚板専門店、エンドユーザへの販売)
  7. 家具店一枚板専門店(エンドユーザへの販売)
  8. エンドユーザ(一枚板の購入者)

上記の通り、エンドユーザ(一枚板の購入者)の直前にある材木店・銘木店、家具店・一枚板専門店が、私達購入者が一枚板を購入する場所になります。それぞれの場所の違いについては、以下のページでまとめています。

どこで購入する?一枚板を購入できる場所とそれぞれの特徴と価格

上記の流通経路を念頭に置いた上で、一枚板を安く手に入れる為の手段として以下の方法があります。

一枚板を安く手に入れる方法

自ら山へ行き、立木を伐採する所からエンドユーザ(一枚板の購入者)が行うのは、非現実的ですので、原木市場から下流の流通において、一枚板を安く手に入れる方法をまとめてみたいと思います。

  1. 製材所を所有している材木店・銘木店から丸太の状態で購入する。
  2. 製材所を所有している材木店・銘木店から製材された状態の一枚板を購入する。
  3. 問屋(市場に入れる材木店・銘木店)を通じ製品市場で直接一枚板を購入する。

安い激安な一枚板を手に入れる手段は、上記の方法になります。しかし、ここには大きなリスクが隠れています。上記の方法で購入できる一枚板は、未乾燥な状態ですので、割れ・反り・ねじれが生じる確率がとても高いです。なので、このリスクを回避する為には、上記1、2において、乾燥済みの一枚板材木店・銘木店から購入するのがベストな方法です。製品市場に陳列する一枚板は、未乾燥である場合がほとんどなのですが、乾燥材が出品される事もあります。割れ・反り・ねじれは構わない。とにかく杢目が美しい一枚板が欲しい方や、自然乾燥における無垢材の状態変化(割れ・反り・ねじれ)も楽しみたいを安く手に入れたいというエンドユーザ(一枚板の購入者)の方であれば、上記2、3の方法で安く一枚板を入手する事ができます。

実際に安く手に入れた一枚板

私は国産材で特に栗の一枚板が好きです。過去、激安で手に入れた栗の一枚板を参考例に出しながら、実際に安く手に入れた一枚板をご紹介いたします。

1万5千円で購入した栗の一枚板

割れや虫食いなどがある栗の一枚板です。初めて訪れた材木店の軒先で、風雨に何年もさらされた状態で転がっていたのですが、薄汚れて真っ黒になった表面から僅かに見えた木の表情が気に入り、税込み1万5千円で譲っていただきました。自然のままの姿で残した耳と緻密な年輪がとても気に入っています。仕上げは自ら行いました。

激安1万円台で購入した安い一枚板

激安1万円台で購入した安い一枚板

激安1万円台で購入した安い一枚板

激安1万円台で購入した安い一枚板

激安1万円台で購入した安い一枚板

激安1万円台で購入した安い一枚板

高樹齢な老木一枚板

ここまで美しい栗の一枚板はなかなか見かけないのではないかと思います。しかも虫食いが一切無く、サイズが縦が2メートルで、幅が1メートルもあります。家具店一枚板専門店に渡っていれば、塗装によって更にギラギラに杢目が際立たされていたに違いありません。関西方面の銘木店さんで購入し、配送業者さんに送っていただきました。PRになってしまうので、購入した銘木店名や価格は記載できませんが、信じられない程激安安価でした。とってもお気に入りの一枚板な為、テーブルとしては利用せず、無塗装状態で観賞用として部屋の壁に立て掛け毎日眺めています。我が家の御神木の様な存在です。無塗装無垢材は、自然本来のとても美しい姿を楽しむ事ができます。

キソサンケイクリ(木曽山系栗)の一枚板

キソサンケイクリ(木曽山系栗)の一枚板

こちらの一枚板の詳細については、以下のページでまとめています。

キソサンケイクリ(木曽山系栗)の一枚板

通販を利用して安い一枚板を購入する

安い一枚板を購入する方法として、一枚板の通販を利用する方法があります。楽天AmazonYahoo!ショッピングなどでは、ポイントやクーポンを活用する事ができます。

一枚板購入時の基礎知識

一枚板が通常の家具と大きく違う点は、無垢材で出来ているということです。無垢材で出来ているという事は、割れ、反り、ねじれなどが発生する可能性があり、その変化も楽しめることが、通常の家具と異なる一枚板の特徴でもあります。割れたり反ったりした場合、修理してくれる家具店や一枚板専門店もありますが、もともと工務店などに対して一枚板を販売しているような材木店や銘木店は、「一枚板は、必ず変化するもの。」という前提条件のもと小売販売を行なう店舗も沢山あります。一枚板を購入するということは、割れや反りが発生するものという点を必ず理解した上で、購入する事がとても大切になってきます。自然のままの素材である無垢材で出来た一枚板は、「触れたり眺めたりすると自然のパワーを感じる。」という方もいれば、「世界にたった一つしかない完全オリジナルな家具。」という点に魅力を感じる方も多くいます。でも、そんな魅力的な一枚板を実際に購入しようとすると、「どこで購入できるのだろう?」、「どんな種類があるんだろう?」、「含水率って何?」、「一枚板テーブルの塗装の種類と違いって何?」、「割れや反りが発生しない一枚板って無いの?」、「価格が安い無垢材から自ら塗装まで仕上げられないの?」といった沢山の疑問が出てきます。一枚板を購入する側の立場で、いろいろと疑問に思った事などを自らの体験談をもとに、一枚板購入前の基礎知識としてまとめてみました。

一枚板購入前に知っておくと便利な基礎知識