世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

銘木ならなんでも揃う東京新木場の梶本銘木店。端材や一枚板を購入させていただきながら、奥が深い木についての知識を深めたく何度も訪問しながら、様々な情報を習得させていただいています。以前から梶本銘木店にて、研修が開催されている事は知っていたのですが、「もしよかったら参加されます?」っとお声掛けいただき、東京農業大学地域環境科学部森林総合科学科造林学研究室の皆様と一緒に、「銘木について」がテーマの研修会に参加させていただきました。

研修の内容

研修は2部構成で、まずは座学。続いて店内を巡廻し、実際に銘木に触れながら座学の内容を復習する内容となっていました。

座学

座学では、資料とプロジェクターを使いながら以下の講義が開催されました。

  • 銘木について
  • 名木と銘木
  • 銘木の種類
  • 銘木製品について
  • 銘木に条件はあるのか?
  • 床柱の主な種類と産地
  • 杉の銘木
  • 主な銘木の産地
  • 銘木市場の様子
  • 材木屋と銘木屋
  • 質疑応答

座学の内容については、既にお店におじゃまさせていただいた際に説明を受けていた内容でした。ただし、木に興味を持っていたとしても、木は奥が深く、一度話を聞いただけだとなかなか理解できず、伺った内容を整理しながら本サイト上を備忘録代わりにまとめていたりもしていました。私にとっては、座学の内容も復習だったので、お話を伺えてとても参考になりました。でもまた聞いてみたいという思いもあります。

座学の様子です。講師はいつもお世話になっている梶本銘木店主任の伊部さんです。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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はじめご本人のプロフィール紹介があったのですが、「なるほど、その経歴なら木に詳しいわけだ。」っと納得。

銘木についての説明が行なわれていきます。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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銘木の主な種類と産地が世界地図にマッピングされた資料です。銘木は赤道から下の南半球側に多いことが一目できます。

銘木の主な種類と産地

銘木の主な種類と産地

また、座学は銘木を使っての説明も行なわれていきます。学生の皆様も真剣に聞いていました。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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座学はとてもシンプルに充実した内容にまとめられていて、とても分かりやすかったです。

銘木に触れながらの復習

座学が終わると、梶本銘木店内を回りながら、実際に銘木に見て触れながら座学の復習が行なわれていきます。

学生の皆さんは、初めて目の当たりにする銘木の数々に興味津々でした。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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学生さんたちが一番大きな反応を示した如鱗杢 (じょりんもく)が出る欅(ケヤキ)の一枚板です。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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価格は新築物件が十分購入できるほどのお値段でした。今まで何度もこの如鱗杢 (じょりんもく)が出る欅(ケヤキ)の一枚板を見つめながら、価格が怖くて直接聞けなかったのですが、価格を初めて聞いた時の私のリアクションも学生の皆さんと同じでした。

一枚板への興味関心は、お金に余裕がある人が出会えるものでは無く、気持ちに余裕がある人で無いと出会えないものだと感じるのが、20年ほど毎日仕事に追われるサラリーマンを経験してきた私の感想です。

サラリーマン時代は、一枚板は「高価なモノ」という認識しかなかったのですが、独立起業してから「木は奥が深いモノ」という認識に変わり、木の魅力の世界へと引きずり込まれてしまいました。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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一枚板の販売価格の驚きでもよいので、これがきっかけとなって、若いうちから無垢材に興味を持つ人が増える事はとてもよいことだなっと思いました。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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店内には神代とあわせて産地別の杉が展示されています。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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3階での説明が終わると、1階北山杉絞丸太の展示室での説明へと移動します。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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展示室内に入ると「北山杉絞丸太の展示室だけ何故床が砂利なのか?天然の丸太は、急激な温度や湿度などの変化を嫌うため砂利を敷くことで、空気が触れる表面積を広くし室内の温度や湿度の発生を防いでいる。」との説明が行なわれました。学生たちは「なるほど!」と様々な説明に関心するばかりでした。北山杉絞丸太展示室の様子は、以下のページで別途まとめています。

梶本銘木店新木場本社の北山杉絞丸太

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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北山杉絞丸太の展示室での説明が終わると、和室ショールームでの説明が行なわれ、質疑応答の後、研修会は終了となります。

世界の優良銘木展示場、梶本銘木店研修会の様子

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質疑応答では、大学3年生らしく「銘木業界の経済状況はどうなのか?」など将来に向けての質問がされていました。講師の梶本銘木店主任の伊部さんからは、「銘木業界は離陸時と着陸時の飛行機の後輪の様なもの。世の中の経済状況がよくなれば最後に上昇し、景気が悪くなると一番最初に下降する業界です。」っとの回答がありました。なかなか面白い表現の仕方をされるなっ・・・と、最後まで私も楽しませていただきました。

座学の最後に、以下の説明がありました。

銘木の使い方には決まりが無く、昔から受け継がれてきた伝統を守りながら、使う人の感性や審美眼を生かしながら自由に使ってよいもの。

今の世の中はインターネットを活用すれば、グローバルな世界展開が容易です。若い学生さんたちには新たな発想で、銘木業界の常識を覆すような社会イノベーションを起こしたり、日本の伝統文化を世界に向けて発信して欲しいなっと思ってしまいました。私も今までに無い新しいアイディアを考えてみたいと思います。

研修会、とても楽しかったです。また機会があれば参加させていただこうと思います。

梶本銘木店の詳細については、以下のページでまとめています。

梶本銘木店新木場本社「世界の優良銘木展示場」を訪問