無垢材を購入する際に特に気になるポイントが「乾燥した木材であるか?」という点です。特に一枚板を購入する際に気になるのが、割れ、反り、ねじれです。無垢材は生きた天然木です。乾燥過程において、必ず割れ、反り、ねじれが発生します。割れ、反り、ねじれ無垢材の特性であり、魅力の一つでありますが、無垢材一枚板テーブルとして利用する場合、極力割れたり、反ったり、ねじれたりしない一枚板を選びたいという購入者側の心理が働きます。また、販売する側も、特にウレタン塗装セラウッド塗装一枚板は、割れた際に傷が目立ちやすいという問題がある事から、極力割れ、反り、ねじれが発生しない一枚板を販売したいという心理があります。割れ、反り、ねじれが発生するのは、無垢材の特性であり、特に割れを目立たせたくない場合は、塗装無しの一枚板オイル塗装の一枚板液体ガラス塗装の一枚板を購入するという選択肢もあります。この割れ、反り、ねじれという現象は、無垢材の中から水分が抜けていく乾燥過程で発生します。十分に乾燥した無垢材であれば、絶対に割れないのか?というと言い切れるものではありません。無垢材購入時に、極力割れ、反り、ねじれといった問題が発生しないものを選ぶ基準の一つとして無垢材の乾燥についての考え方があります。

無垢材の乾燥について

伐採されたばかりの無垢材は、飽水状態のため、自由水と結合水を大量に含んでいます。一枚板であれば短いもので3年、長いものになると10年、自然乾燥が行なわれ、飽水状態から、生材状態繊維飽和点気乾状態を経て全乾状態割れや反りが発生しずらい木材へと変化します。この変化の過程が自然乾燥、天然乾燥と呼ばれるもので、古材においても自然乾燥が行なわれています。自然乾燥が行なわれた木材は、強度が高いという利点があり、全乾状態の木材は変化が起こりづらい安定した板でもあります。人工乾燥とは、一枚板のような大きな板をテーブルとして利用する場合において、強制的に機械を利用して乾燥を行なうことで、より割れや反りが発生しにくい真っ直ぐな板を作り出す方式になります。

無垢材の乾燥は、大きく自然乾燥人工乾燥に分かれます。古材については、自然乾燥一枚板においては、自然乾燥の状態で販売されている場合と、人工乾燥まで行なわれた状態で販売されている場合とに大きく分かれます。材木店・銘木店おいては、自然乾燥の状態で一枚板が販売されている事がほとんどで、一枚板専門店や、家具屋で販売されている一枚板は、人工乾燥まで行なわれたものが販売されていることがあります。割れや反りが発生しない安定した一枚板は、人工乾燥まで行なわれていることであるという意見を聞くこともあれば、銘木店でお話を伺うと、人工乾燥が世の中に出て数年しか経過していないのに、人工乾燥が良いとは言い切れないと言った意見なども耳にすることがあります。一枚板古材といった無垢材を購入する際によく耳にする自然乾燥人工乾燥について以下にまとめてみます。

自然乾燥とは

自然乾燥とは、伐採されたばかりの水分を大量に含んだ無垢材を3年から10年ぐらいの年月をかけて乾燥させていく工程になります。3年から10年という年月期間に幅があるのは、一枚板のサイズが大きくなればなるほど自然乾燥の期間が長くなるのと、樹種の種類によって乾燥しやすいものとしづらいものがあるという理由のためです。自然乾燥は、飽水状態生材状態繊維飽和点気乾状態全乾状態という過程で、無垢材を乾燥させていく状態になります。一枚板と販売されている無垢材は、気乾状態まで終えた無垢材で、理想の含水率は15%以下とされています。自然乾燥の具体的な内容について、以下のページでまとめていきます。

自然乾燥(天然乾燥)とは

人工乾燥とは

人工乾燥とは、自然乾燥によって含水率15%まで落ちた一枚板を更に低温式人工乾燥高周波プレスという2つの工程を経て更に乾燥を行なう事によって、割れや反りが発生しづらい安定した一枚板を作り出すという工程になります。人工乾燥の最終工程である高周波プレスによる乾燥を行なうことで、無垢材に含まれる含水率を5から6パーセントまで落とすことができるとされています。人工乾燥の具体的な内容について、以下のページでまとめていきます。

人工乾燥とは