洗い出し加工は、主に石(小砂利・大砂利・砂など)を板面に撒き(まき)、小板を用いて板全体を石と共に擦り上げて、板目の雅味・野趣さを引き出す為の加工方法です。主に和室(茶室)の天井材や、玄関巾木に用いられます。うづくりと洗い出しを一緒だと言う方が居ますが、加工方法はまったく異なります。

洗い出し加工について

写真①は、6帖茶室です。普通は杉柾の天井板は用いないと思っている方が多く居ますが、建築のイロハの”真・行・草”では、柾板の”格”は真ですが、このように砂洗いをする事で、真から真行・真草と格をわざと落として用いる事があります。侘びを追究する数寄屋好みの仕上げ方です。

6帖茶室

写真①:6帖茶室

6帖茶室天井板の拡大写真

写真②:6帖茶室天井板の拡大写真

写真②は天井板の拡大写真です。よく表情を御覧下さいませ。

よくある質問と回答

Q:入口玄関の内側の巾木などになぜ砂洗いをするのですか?

A:一般の住居ではあまりしません。茶苑の建物の一部や高級旅館、一流料亭などでは、広く行なわれた加工方法です。御客様が来る前に、打ち水をしますね。来客の時間を長年の経験から履物を汚さない程度に加減して打ちます。茶の世界でも、茶室廻りの建物の腰板に大きな如雨露(じょうろ)を肩越しに板目を山並(遠山型)に濡らす。御客様を迎える御約束です。この時、削り上げた板ですと、水の乾きが早く、折角の水打ちが御客様に伝わりません。なので、玄関板類に砂洗いを掛けた板を用い、わざと水切りの悪さを演出する方法です。皆さんも一流と言われる旅館や料亭に行った時、この事を思い出して下さい。今流行りのつるつるに磨いた石敷は使って無いはずです。第一危ないです。転んだり、滑りが生じます。ですから、玄関敷石も自然肌の石敷ですから、こうしておくと打ち水の吸い込みが一定なので、御客様を迎えるのに心遣いが感じられる訳です。

写真③は、ビル内茶室の玄関です。客を迎えるにあたり香を焚き、水打ちがなされています。腰板にも水を含ませています。ビルのオーナーは、さすが茶人であり数寄者です。見事な心配りです。

ビル内茶室の玄関(客を迎えるにあたり香を焚き、水打ちがなされています。)

写真③:ビル内茶室の玄関(客を迎えるにあたり香を焚き、水打ちがなされています。)

板の仕上げの方法について

板の仕上げの方法について、浮造り(うづくり)仕上げ洗い出し加工胡粉(ごふん)汚し加工泥(どろ)汚し・荒久田(あらくだ)汚し加工名栗(なぐり)・杣名栗(そまなぐり)・突鑿名栗(つきのみなぐり)加工昔からある板の加工方法(紅茶染仕上り、鯨油仕上り、洒落材の使用)についてご紹介いたします。

板の仕上げの方法について


”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し

木喰虫一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。

50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。

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