縄目杢(なわめもく)についてのご紹介です。
縄目杢(なわめもく)
縄目杢(なわめもく)は、原木の年輪の板目挽きとは反対に、直角に柾目(まさめ)取りをした際、樹幹の捻れ(なじれ)方向、(左・右)廻り柾目に対して、現れる斑(ふ・はん)や紋状の杢目を言い、縄を編んだような杢目です。
写真②は、縄目方向を変えて、矢の羽根(矢羽根模様)にしたブロック材です。これを削って板に貼り付けて製作する例は、静岡県箱根細工が有名です。ツキ板でも模様を矢羽根形に貼るパターンを矢羽根貼りと言います。
写真③④は、日光杉の背板に現れた縄目杢(なわめもく)の例です。杢目に迫力があります。
写真⑤は、唐木(からき)スリランカ産(旧セイロン)の黒檀、エボナイト真黒材(まぐろざい)に現れた縄目杢(なわめもく)です。
写真⑥⑦は、マメ科の花梨(カリン)の別種、ナーラ材(フィリピン産)の巾広板と左右柾目に現れた縄目斑杢(なわめふもく)です。
写真⑧は、一見すると黒柿の上杢目かと思いますが、柾目部分に現れた縄目杢(なわめもく)です。
写真⑨は、木裏木表で2枚で撮った物です。重ねると大縄目に見えます。
杢目(もくめ)の種類
木の杢目(もくめ)には様々な種類があります。図は一本の杉原木からのいろいろな杢目を木取るイメージとなっていますが、このイメージから把握できる通り、同じ樹種でも木取る場所が異なれば、違う杢目(もくめ)が現れます。杉の例となりますが、杢目を木取る区分としては、白太(辺材)(しらた)、純白・白杢(じゅんぱく・しらもく)、源平・耳白杢(げんぺい・みみじろもく)、上杢目(じょうもくめ)、笹杢・中笹杢目(ささもく・なかささもくめ)、中板目(なかいため)、中杢目(なかもくめ)、追い柾・荒柾(あらまさ)、本柾目(ほんまさめ)に分類されます。杢目(もくめ)の種類をご確認いただく前に、木目(もくめ・きめ)と杢目(もくめ)の違いについて、杢目(もくめ)と斑杢(ふもく)の違いについて、杢目はどうして生まれるのか?も合わせてご確認ください。
”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し
一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。
50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。