沢目杢(さわめもく)・沢目杢目(さわめもくめ)についてご紹介いたします。よく業界の方は、沢目杢(さわめもく)・沢目杢目(さわめもくめ)の事をサバ杢と言いますが、これは沢杢(さわもく)が訛り、”サバ”と呼ぶ様になったと言われています。決して、魚の鯖(サバ)の事ではありません。
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沢目杢(さわめもく)・沢目杢目(さわめもくめ)
写真①②は欅の根廻りや幹の2本に別れた大枝の又(また)の部分です。谷間(たにま)や大きく樹皮が入り込んでいる部分を製材すると現れます。谷筋や川の沢のような流れに似た部分を沢目杢(さわめもく)・沢目杢目(さわめもくめ)と言い、業界ではサバ杢と言います。
沢杢が2本入っていたり、もっと沢筋目が多く入っている杢目は、いろいろとあります。大体この沢部分はあて(他の材質より硬く締まっているケース)が多く、深い谷筋を追って芯方向に向って挽くと最後は1本の線状になり、割れの原因にも繋がります。板材としての評価は、難点の1つに当たります。
よくある質問と回答
質問:根杢と沢杢の違いやサバ杢の由来は何ですか?
回答:根張り丸太から製材すると得られるいわゆる根杢と沢杢は、紙一重の違いしかありません。根の廻りは、根張りが必ずあります。細かい沢は気になりませんが、大沢の場合、どうしても製材時は避けた方が得策です。また、長く巾広の板を取材時、根の方に少し根杢が残ります。少しだけ根杢がある事を芝(しば)と言います。または芝目(しばめ)と呼びます。「板の杢目は申し分ないけれど、板下に芝目が有り気になるね!!」こんな会話によく使います。よく業界の方は、サバ杢と言いますが、これは沢杢(さわもく)が訛り、”サバ”と呼ぶ様になったと言われています。蟹杢をガニ杢と言うのと同じです。
沢目杢・沢目杢目のご紹介は以上です。続いて蛇紋杢・蛇紋杢目をご紹介いたします。
杢目(もくめ)の種類
木の杢目(もくめ)には様々な種類があります。図は一本の杉原木からのいろいろな杢目を木取るイメージとなっていますが、このイメージから把握できる通り、同じ樹種でも木取る場所が異なれば、違う杢目(もくめ)が現れます。杉の例となりますが、杢目を木取る区分としては、白太(辺材)(しらた)、純白・白杢(じゅんぱく・しらもく)、源平・耳白杢(げんぺい・みみじろもく)、上杢目(じょうもくめ)、笹杢・中笹杢目(ささもく・なかささもくめ)、中板目(なかいため)、中杢目(なかもくめ)、追い柾・荒柾(あらまさ)、本柾目(ほんまさめ)に分類されます。杢目(もくめ)の種類をご確認いただく前に、木目(もくめ・きめ)と杢目(もくめ)の違いについて、杢目(もくめ)と斑杢(ふもく)の違いについて、杢目はどうして生まれるのか?も合わせてご確認ください。
”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し
一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。
50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。