木場(きば)は、木材の流通に欠かせない運河・河川・貯木場を取り巻く地域一帯を指します。陸に置かれた木材の置場を”木場”と言う事は、”木場(きば)と林場(りんば)の違いについて”をご確認ください。

木場の歴史

東京都江東区上空(昭和36年に撮影)

写真①:東京都江東区上空(昭和36年に撮影)

写真①は、現在の東京都江東区上空の写真で、昭和36年に撮られた物です。左の道路は、深川から日本橋・皇居大手門に至る永代通り、木場五丁目の交差点から墨田区方面へ、下木場・中木場・上木場(しも・なか・かみ)と続き、本所方面へと地域が継ります。おびただしい水路に浮かぶ丸太・原木、陸にある材木、木材問屋製材工場が乱立している木場です。私が生まれて8才当時の写真です。

東京都江東区上空(昭和48年に撮影)

写真②:東京都江東区上空(昭和48年に撮影)

写真②の写真は、昭和48年に撮った写真です。中央の緑地は、東京営林署のグランド、手前にある最初の十字路は、現在の東陽町、左側の通りは写真①と同じ永代通りで、門前仲町、日本橋方面へ続いています。新木場移転の話が出始めた頃、この時代は忙しく、材木業が鼓動のように動き、生き生きしていた時代でもあります。

新木場移転が始まった昭和46~48年頃は、写真の旧木場は材木を扱う業者が総数700軒。その従業員・家族を含めると約35,000人居たと言います。機械・塗料など、関連会社も含めると江東区人口(当時40万人)のおよそ10%近くが、木材に関係していた事になります。江東区面積約40平方キロメートル。木場内の面積は17.64平方キロメートル。実に木場は江東区の面積の約半分を占めていた事になります。この時代、世界を見渡しても木材業だけ見ても世界一と言っても過言ではありません。

明治18年、木場の堀割の写真

写真③:明治18年、木場の堀割の写真

所変わって明治18年頃の木場の風景です。背景に黒松が生い繁り、貯木場には1尺角(1石)の材木が所狭しと桟積み(さんづみ)され、”木”を扱う川並(かわなみ)職人の長カギは、今も昔もかわらない光景です。

古くは江戸時代(今で言う総合デザイナー)の山東京伝や墨字・題字・旗字(はたじ)で有名な書家の三井親和(みついしんな)も深川木場の生まれです。もちろん木場と言えば紀伊国屋文左衛門や、奈良屋茂左衛門などの豪商を生み出した地でも有名です。明治期には、この風光明媚(ふうこうめいび)な土地柄を求めて、多くの画家や現代の大丸デパートや4代目市川団十郎などの別宅が好んで建てられたと言います。

歴史ある”木場”。この地で育った気質・人情が相い絡み合い、江戸からの気風と合いまって”粋”俠を生み出しました。

映画界において、深川生まれ(江東区牡丹町)の監督、小津安二郎は特に有名で、東京物語・秋刀魚の味(さんまのあじ)、小早家の秋・浮草など名映画を撮っています。特に機微(きび)な情感の演出は、深川独特の人情を背景に”小津調”とも言われ、賛美評価されています。

木場には各小史がたくさんあります。ここで江戸時代から言われている格言(かくげん)があります。

私しや、この地(木場)の野島(掘割の土手)の雀(すずめ)。この地を出りや、絵にならね。

これは、この土地に生まれたが、この地(木場)を出て行ったら、絵(商売)にならないとさとした格言(かくげん)で、何百という材木問屋の中で居るからこそ、商いが出来るであって、迷惑を掛けたり、火事を出したりせず、コツコツと商売して行きなさいとの意味を含んでいます。真面目(まじめ)に私もいつも”木場”という冠がある限り、商売して行こうと思います。

新木場の貯木場の写真

写真④:新木場の貯木場

新木場の貯木場の写真

写真⑤:新木場の貯木場

写真④⑤は、今の新木場の貯木場の写真です。世界各国の産地が原木の輸出を禁止している為、住事より浮かぶ丸太量が激減しています。この丸太が浮かばない”木場”は、いつまでも野島の雀で居られない事に継がりますね。

木場の歴史のご紹介は以上です。続いて俎板(まないた)についてをご紹介いたします。

木喰虫さんの酔話

木喰虫さんの酔話について、木場の正月飾り木場の初荷木場の歴史俎板(まないた)について木のお風呂についてとご紹介いたします。木喰虫さんの酩酊酔話(めいていすいわ)終章については、木のいろはにほへと(わかりやすい木のお話し)ページの下部にてご紹介しております。

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”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し

木喰虫一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。

50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。

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