泡杢(あわもく)・泡杢目(あわもくめ)についてご紹介いたします。

泡杢(あわもく)・泡杢目(あわもくめ)

泡杢(あわもく)・泡杢目(あわもくめ)は、人の視覚による点で違って見えるため、判断が難しい杢目立の1つです。

泡のイメージは、人によって異なる見方をします。お風呂など、激しいジェット水流の中の気泡を見るのか、温泉地の温床から湧く小さな気泡や、炭酸水を含む数多くの気泡も全て泡(あわ)です。

写真①②は、縞紫檀(チンチャン)材から偶然現れた小豆杢(あずきもく)とは違う泡杢です。文中の後者、温床から少しずつ気泡が昇る様子です。

縞紫檀(チンチャン)材から偶然現れた小豆杢(あずきもく)とは違う泡杢

写真①:縞紫檀(チンチャン)材から現れた小豆杢(あずきもく)とは違う泡杢

縞紫檀(チンチャン)材から偶然現れた小豆杢(あずきもく)とは違う泡杢

写真②:縞紫檀(チンチャン)材から現れた小豆杢(あずきもく)とは違う泡杢

写真③は、大径材のレッドサペリの皮肌に近い部分から取材された泡杢です。地下水や伏流水から湧き上る量の多い泡杢です。玉杢(たまもく)と表現しがちですが、バランスから言うと”泡杢(あわもく)”です。

大径材のレッドサペリの皮肌に近い部分から取材された泡杢

写真③:大径材のレッドサペリの皮肌に近い部分から取材された泡杢

写真④⑤は、日本産の黄肌(きはだ)材に現れた泡杢(あわもく)です。写真④の右は、内箱の木地仕上がり(木地の段階で浮玉(うきだま))なので、拭き漆し仕上げを施すと更に泡杢目になります。

日本産の黄肌(きはだ)材に現れた泡杢(あわもく)

写真④:日本産の黄肌(きはだ)材に現れた泡杢(あわもく)

日本産の黄肌(きはだ)材に現れた泡杢(あわもく)

写真⑤:日本産の黄肌(きはだ)材に現れた泡杢(あわもく)

写真⑥は、バイオリン楽器の顎(あご)当て(チン・レスト)に加工された泡杢(あわもく)です。材料は御蔵島産の貴重な柘植(ツゲ)からの作品です。

バイオリン楽器の顎(あご)当て(チン・レスト)に加工された泡杢(あわもく)

写真⑥:バイオリン楽器の顎(あご)当て(チン・レスト)に加工された泡杢(あわもく)

材写真協力:小金井市丈夫堂

泡杢・泡杢目のご紹介は以上です。続いて鶉杢目・雉子杢目をご紹介いたします。

杢目(もくめ)の種類

木の杢目(もくめ)には様々な種類があります。図は一本の杉原木からのいろいろな杢目を木取るイメージとなっていますが、このイメージから把握できる通り、同じ樹種でも木取る場所が異なれば、違う杢目(もくめ)が現れます。杉の例となりますが、杢目を木取る区分としては、白太(辺材)(しらた)、純白・白杢(じゅんぱく・しらもく)、源平・耳白杢(げんぺい・みみじろもく)、上杢目(じょうもくめ)、笹杢・中笹杢目(ささもく・なかささもくめ)、中板目(なかいため)、中杢目(なかもくめ)、追い柾・荒柾(あらまさ)、本柾目(ほんまさめ)に分類されます。杢目(もくめ)の種類をご確認いただく前に、木目(もくめ・きめ)と杢目(もくめ)の違いについて杢目(もくめ)と斑杢(ふもく)の違いについて杢目はどうして生まれるのか?も合わせてご確認ください。

杢目(もくめ)の種類


”木のいろはにほへと”わかりやすい木のお話し

木喰虫一枚板比較では、木を愛してやまない方々の為に、もっとわかりやすく”木のいろはにほへと”と題して、木について解説するコーナーを新設しました。

50年近くも木に携わって来た方(木喰虫さん)のお話しです。普段聞けないお話しも飛び出すかもしれません。

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