割れ、反り、ねじれが発生しにくい一枚板の見分け方は、含水率が15%に近い状態であるか?という点と、木目の動き、節や芯の有無を確認するという点が大きなポイントです。複数気に入った一枚板が目の前にある時、自分の好みだけで選んでしまって大丈夫なのだろうか?と悩んだ場合、一枚板を選ぶ際の一つの判断ポイントとして参考になる情報についてまとめてみたいと思います。なお、無垢材は必ず割れ、反り、ねじれが発生するものであり、それもまた無垢材の魅力であるという意識は常に持っておく事も大切なポイントです。

目次

割れ、反り、ねじれが発生しにくい一枚板の見分け方

一枚板を購入する際に、どうしても気になるのが割れや反りです。割れ、反り、ねじれが発生しない一枚板の見分け方について、過去様々な一枚板販売店を巡ってきて確認した内容をまとめてみたいと思います。以下に記載している内容は、主に梶本銘木店新木場本社「世界の優良銘木展示場」にて確認させていただいた内容となっております。

十分乾燥ができているか?

製材直後のモンキーポッドの含水率

製材直後のモンキーポッドの含水率

どんなに乾燥していたとしても、一枚板は環境が変わると反ったり、割れたり、ねじれたりするものです。ただし、乾燥が不十分だと、変化する可能性が高まるので、十分乾燥されている一枚板なのか?という点については、お店のスタッフの方に確認するのがおすすめです。一枚板乾燥は5年から10年というような話をよく聞きますが、樹種によっても乾き易いものと、乾き難いものがあったりします。どうしてもシッカリ乾燥できているのかどうか気になる場合は、含水率が15%以下であるかについて、購入希望の一枚板含水率を計測してもらうのがよいかと思います。ただし含水率は、一枚板を購入後、設置する場所によっても含水率が変動するものであるという認識が必要です。

一枚板の含水率の理想値

木目が詰まっているか?

木の木目は、細かければ細かいほど変化し難いと言われています。折角高額な一枚板を購入して、後で反ってしまうと大なり小なりショックを受けると思うと思うので、一枚板を購入する際には、木目の細かさや素直さ(真っ直ぐかどうか?)については、チェックするのがおすすめです。

木目と杢目の違いについては、以下のページでまとめています。

木目と杢目の違い

具体的な例を示しながら、割れ、反り、ねじれが発生し難い一枚板の特徴を説明してみたいと思います。

割れや反りが発生し難い一枚板の特徴

こちらの欅(ケヤキ)一枚板ですが、柾目部分の木目が細かく、上下均等に真っ直ぐ木目が伸びているのが確認できるかと思います。

割れや反りが発生し難い一枚板

割れや反りが発生し難い一枚板

このような一枚板は、割れ、反り、ねじれが発生しづらい素直な一枚板と呼ばれています。

割れや反りが発生し難い一枚板

割れや反りが発生し難い一枚板

割れや反りが発生しやすい一枚板の特徴

逆に今度は、割れ、反り、ねじれが発生しやすい一枚板の特徴です。こちらの欅(ケヤキ)一枚板ですが、上部は木目の幅が広く、木目も動きがあって曲がっているのが確認できるかと思います。

割れや反りが発生しやすい一枚板

割れや反りが発生しやすい一枚板

上部は木目の幅が広く、木目が曲がっています。木目が複雑な一枚板ほど、希少価値が高いとされていますが、木目が美しく動いている反面、割れ、反り、ねじれが発生する可能性が高いため、木目の美しさとあわせて、木のバランスが取れているのか?を見極める必要があります。ここの読みは、材木店、銘木店の方々が得意とする分野です。

割れや反りが発生しやすい一枚板

割れや反りが発生しやすい一枚板

上部の木目は、幅が広く曲がっているのが把握できるかと思います。

上部の木目は、幅が広く曲がっている

上部の木目は、幅が広く曲がっている

これに対して、下部の木目は、幅が狭く真っ直ぐです。

下部の木目は、幅が狭く真っ直ぐ

下部の木目は、幅が狭く真っ直ぐ

なので、この欅(ケヤキ)一枚板は、上下のバランスが悪く割れています。

上下のバランスが悪く割れている一枚板

上下のバランスが悪く割れている一枚板

一見、割れ、反り、ねじれが発生しやすい一枚板の方が、木目の見た目が複雑で面白いと思う方がいるかと思いますが、木目の美しさとあわせて、木のバランスが取れているのか?を確認しながら一枚板を選定することができると、割れ、反り、ねじれを回避することができます。

よく材木店、銘木店へ足を運ぶと「割れ止めを塗ってある」という言葉を聞くことがあるかと思います。

一枚板に塗られたばかりの割れ止め

一枚板に塗られたばかりの割れ止め

これは、材木店、銘木店の方々が、一枚板を見て、割れ、反り、ねじれが発生しやすい部分、割れ、反り、ねじれが発生しにくい部分を読み解き、木全体のバランスが取れるように割れ止めを塗って一枚板乾燥させることで、綺麗な一枚板を作りあげる努力をされている証でもあります。

割れ止めについて

初めて一枚板を購入するユーザー側の立場ですと、年単位で一枚板乾燥させているだけという事しか頭に浮かばないことがほとんどですが、完成度の高い一枚板を仕上げるためには、乾燥のタイミングから「割れ止めを塗る」という作業以外にも、職人の方々でなくてはできない様々な工程が繰り広げられているという点もあわせて理解しておいた方がよいと思います。

ただし、一枚板は、無垢材なので、必ず割れ、反り、曲がりは発生するものです。それも無垢材の楽しみの一つとして捉える事も大切な事だと思います。

上記は、私が様々な一枚板販売店を巡ってきて、聞いた内容をまとめているだけなので、他の方はまた別の意見があるかと思います。あくまで参考情報としていただき、自ら一枚板を購入する際には、欲しいと思った一枚板の状態を販売店のスタッフの方に状態について十分確認する必要があるかと思います。

節が無いか?

節がある一枚板は、節の部分は100パーセントの確立で割れます。ちなみに私は、節があろうが、気に入ったら購入しています。

節の部分で割れているウォールナット

節の部分で割れているウォールナット

節の無い一枚板は、無節と呼ばれ、節がある一枚板と比較すると価値が高まります。少しでも変化が発生し難い一枚板を選ぶのであれば、極力節が無い一枚板を選ぶのがおすすめです。

芯が無いか?

一枚板を選定する際、木表、木裏にある節のチェックだけでなく、木口のチェックも必要です。こちらは2年間乾燥中の栃(トチ)の一枚板ですが、真ん中の一枚板が一番割れる可能性が高いです。

2年間乾燥中の栃(トチ)の一枚板

2年間乾燥中の栃(トチ)の一枚板

理由は以下の写真の通り、木口に芯があるためです。

木口に節がある栃(トチ)の一枚板

木口に節がある栃(トチ)の一枚板

一枚板の割れを避けるためには、以下写真の最上段にある一枚板のように木口に芯が無いものを選ぶのがベストです。

 木口に節が無い栃(トチ)の一枚板

木口に節が無い栃(トチ)の一枚板

一枚板の選定例

実際に一枚板を購入する際、上記に記載した内容をもとに選定した内容を記載しておきます。先日、梶本銘木店新木場本社「世界の優良銘木展示場」にて、神代栗を購入いたしました。店内には、3本の神代栗がありました。

3本ある神代栗の中から、一番はじめに私が興味を示した神代栗はこちらです。

神代栗の一枚板

神代栗の一枚板

興味を持った理由は、3本ある中で一番、「模様が気に入ったから」っという点だったのですが、結局こちらの神代栗は、以下の内容から選定を止めました。

  • 手で表面を撫でてみると、反っていることが確認できた。
  • 木目の幅が広い。
  • 現状既に反っていて木目の幅が広いということは更に反る可能性が高い。

次に残り2本の神代栗から、以下写真の右側の神代栗の購入を決めました。

神代栗の一枚板

神代栗の一枚板

購入を決めた理由は、以下の通りです。

  • 3本の中では一番、神代っぽい。
  • 木目が細かく真っ直ぐ。
  • 同じタイミングで製材、乾燥が行なわれた神代栗の中では一番重たく密度が高い(実際に持ち上げてみるとこの神代栗が一番重たかった)。
  • 木の下に杢目の動きがあり、削ると綺麗な模様が出そう。
  • 表も裏も節が無い。

ある程度、基本となる知識があれば、複数同じ種類の樹種がある場合は、納得がいく一枚板の選定ができると思います。

一枚板を購入する際に、「何を基準にして選んだらよいのか分からない?」っとなった際には、ご参考にしていただければと思います。

ちなみに私、この神代栗が6本目の神代となります。テーブルとして利用するのでは無く、部屋のインテリアとして立てかけて利用します。

割れ、反り、ねじれを発生させないための加工

裏吸付き桟加工が施されたトチの一枚板

裏吸付き桟加工が施されたトチの一枚板


割れ、反り、ねじれを発生させないための加工として、裏吸付き桟加工高周波プレス機による人工乾燥の2種類があります。ただし、無垢材は、絶対に割れ、反り、ねじれが発生しないと言い切れるものでは無く、以下でご紹介する内容は、割れ、反り、ねじれが発生する可能性を減らすための加工と認識しておく必要があります。

裏吸付き桟加工

無垢材一枚板は、必ず割れ、反り、ねじれなどの変化が生じるものです。ただし、ダイニングテーブルとして利用する一枚板割れ、反り、ねじれが発生すると困るといった場合は、裏吸付き桟加工と呼ばれる一枚板の加工技術があります。詳細については、以下のページでまとめています。

一枚板の反りを防止する裏吸付き桟加工

高周波プレス

高周波プレス機は、一枚板の中に含まれる水分を木の内部から蒸発させることができる機材です。一枚板の表情が豊かで個性的ということは、それだけ杢目が複雑ということになりますが、杢目が複雑ということは、割れ、反り、ねじれが発生する可能性があるということになります。しかし、杢目が複雑な一枚板であっても高周波プレス機を利用することで、人工的に含水率を5から6パーセントまで落とすことができます。これによって、一枚板の割れ、反り、ねじれを回避できる可能性があります。詳細は以下のページにまとめています。

高周波プレス機とは

一枚板の割れ、反り、ねじれについて

一枚板を購入する際に、必ずと言ってよい程、「割れ反りねじれ」という言葉を聞きます。無垢材である一枚板は、乾燥の過程において、必ず変化をします。普段から無垢材に触れている人にとっては、「割れ反りねじれ」という言葉はとても一般的なのですが、初めて一枚板を購入する人にとっては、一枚板が、割れる反れるねじれるという変化がどのようなモノか理解する事ができません。それぞれの違いについて、以下のページでまとめています。

一枚板の割れ、反り、ねじれについて


一枚板購入時の基礎知識

一枚板が通常の家具と大きく違う点は、無垢材で出来ているということです。無垢材で出来ているという事は、割れ、反り、ねじれなどが発生する可能性があり、その変化も楽しめることが、通常の家具と異なる一枚板の特徴でもあります。割れたり反ったりした場合、修理してくれる家具店や一枚板専門店もありますが、もともと工務店などに対して一枚板を販売しているような材木店や銘木店は、「一枚板は、必ず変化するもの。」という前提条件のもと小売販売を行なう店舗も沢山あります。一枚板を購入するということは、割れや反りが発生するものという点を必ず理解した上で、購入する事がとても大切になってきます。自然のままの素材である無垢材で出来た一枚板は、「触れたり眺めたりすると自然のパワーを感じる。」という方もいれば、「世界にたった一つしかない完全オリジナルな家具。」という点に魅力を感じる方も多くいます。でも、そんな魅力的な一枚板を実際に購入しようとすると、「どこで購入できるのだろう?」、「どんな種類があるんだろう?」、「含水率って何?」、「一枚板テーブルの塗装の種類と違いって何?」、「割れや反りが発生しない一枚板って無いの?」、「価格が安い無垢材から自ら塗装まで仕上げられないの?」といった沢山の疑問が出てきます。一枚板を購入する側の立場で、いろいろと疑問に思った事などを自らの体験談をもとに、一枚板購入前の基礎知識としてまとめてみました。

一枚板購入前に知っておくと便利な基礎知識