一枚板の塗装は、主にオイル塗装、ウレタン塗装、液体ガラス塗装、セラウッド塗装の4種類に分類されます。塗装無しという選択肢もありますが、無垢材の一枚板を利用する際、汚れを防いだり割れや反りが発生するリスクを軽減させたり、綺麗な杢目を楽しむためにもいずれかの塗装は行なった方がよいとされています。ただし、無垢材本来の姿を楽しみたいという場合は無塗装がおすすめです。塗装を行なうと、杢目が浮かび上がる変わりに色が変わります。神代木など、無塗装では灰色がかった色をしていたのに、塗装を行なったら褐色色に変化してしまったという事はよくあります。耐久性を求める場合は塗装を行ない、無垢材本来の姿を楽しみたいのであれば無塗装がおすすめです。塗装を行なったらどんな状態になるのか心配な場合は、無塗装の一枚板を霧吹きなどを使って水に濡らすと、塗装後の色を事前に確認することができます。無塗装の場合は一枚板の割れ、反り、ねじれが発生する可能性が高まるという点も理解しておく必要があります。素人でもDIYとして一枚板の塗装を自ら仕上げることができるのはオイル塗装になります。自らオイル塗装で仕上げを行なった様子について、以下のページでご紹介いたします。
一枚板テーブルの塗装の種類(オイル塗装、ウレタン塗装、液体ガラス塗装、セラウッド塗装)と違いについて
目次
一枚板の塗装におすすめなオイル
一枚板の塗装におすすめなオイルは、自然塗料オスモカラーの#1101エキストラクリアーです。様々な材木店や銘木店で、オイル仕上げには自然塗料オスモカラーの#1101エキストラクリアーを利用していました。詳細については、以下のページでまとめています。
オイル塗装のメリット、デメリット
材木店、銘木店で購入した一枚板は、反りや割れを防ぐためにも、必ずオイル塗装した方がよいと言われています。ただし、オイル塗装には、以下のメリット、デメリットがあります。
メリット
- 杢目が綺麗に浮かび上がり、一枚板の鑑賞性が高まる。
- 無塗装と比較すると一枚板の割れ、反り、ねじれが発生しづらくなる。
デメリット
- オイルを購入する費用がかかる。
- 塗装後で木の色が変わる。
塗装を行なったらどんな状態になるのか心配な場合は、無塗装の一枚板を霧吹きなどを使って水に濡らすと、塗装後の色を事前に確認することができます。
オイル塗装の準備
一枚板のオイル塗装を自ら実施する前に必要となるものは以下の通りとなります。
- 一枚板用のオイル(オスモカラー エキストラクリアー)
- オイル塗装用ハケ(多用途刷毛ハケ)
- オイルを小分けする容器(タッパー)
一枚板用のオイル
一枚板の仕上げ剤には様々な種類があります。
オイル塗装として利用するオイルは以下の種類(オスモカラー エキストラクリアー)となります。
価格が安いエキストラクリアー1101については、以下のページで確認することができます。
オイル塗装用ハケ(多用途刷毛ハケ)
オイル塗装を行なうための多用途刷毛ハケは、Amazonで購入すると安いです。楽天や100円ショップでも販売されているのですが、価格が高かったりハケの幅が狭かったりします。ハケの幅が狭いと、オイル塗装を行なった際にムラになってしまうため、なるべく幅が広いハケを購入します。Amazonですと、1000円以下で様々なサイズのハケセットが購入できるのでお得でおすすめです。以下のページから、価格が安い多用途刷毛ハケの一覧を確認することができます。
オイルを小分けする容器(タッパー)
一枚板にオイル塗装を行なう際には、一枚板に塗る分のオイルをタッパーなどの容器に小分けにしながら塗ります。容器が狭すぎると、ハケが容器の中に入らなくなってしまうため、なるべく幅が広い容器(タッパー)を用意します。オイルはとても臭うので、オイル塗装で利用した容器が臭う場合は、タッパーであればフタができるので防臭することもできるのでおすすめです。多用途刷毛ハケとあわせて、Amazonで価格が安いタッパーをあわせて注文するのがおすすめです。以下のページから、価格が安いタッパーを確認することができます。
オイル塗装の手順
自ら一枚板のオイル塗装を行なう手順について、実際に銘木店で購入した神代栗をもとに説明していきます。割れ止めをはがして、サンダーで削った時の様子については、以下のページでまとめています。
以下はオイル塗装前の無塗装状態の神代栗です。既にオイル塗装済みのポプラと並べて比較してみました。
それでは、上記の無塗装状態の神代栗に、オイル塗装を自ら行なっていきます。
手順1:一枚板を寝かせる
一枚板のオイル塗装を行なう際には、一枚板を壁などに立てかけて行なうのでは無く、必ずテーブル状に寝かした状態で行ないます。立てかけた状態で一枚板にオイル塗装を行なうと、元口(下側)にオイルが乾く前に流れてしまいます。
手順2:木表、木場(両サイド)、木口への塗装
まずは、木表、木場(両サイド)、木口へオイル塗装を行ないます。つまり、一枚板の木裏以外は、オイルを塗ってしまいます。木表、木場(両サイド)、木口へのオイル塗装が終わったら、乾いた布などで一枚板の表面にあまったオイルを拭き取り、1日乾燥させます。
手順3:木裏への塗装
木裏へオイル塗装を行ないます。木裏へのオイル塗装が終わったら、乾いた布などで一枚板の表面にあまったオイルを拭き取り、1日乾燥させます。
完成
オイル塗装が終わり、シッカリと乾燥させた後の神代栗です。オイルが乾いたか?、乾いていないか?については、木肌に触れてみて無垢材の感触が伝わってくればオイルは乾いています。逆に木肌に触れてみた際にシットリとしている場合は、オイルがまだ乾いていません。
この神代栗は、オイル塗装を行なってみたところ、ゼブラウッドの縞杢のような綺麗な杢目が浮かび上がってきました。
またこちらの神代栗は、柾目の木目が細かく、割れたり反ったりする可能性が低い一枚板です。
注意事項
- オスモカラー エキストラクリアーは容器の中に、多用途刷毛ハケをドブづけして利用する事ができるとの記載があるのですが、オスモカラー エキストラクリアーの容器の中に不純物が入るとオイルが固まってしまい二度と利用できなくなってしまうので、必ず底が浅い容器などに小分けにしながら利用します。
- 一枚板に塗るオイルは、必ず木表と木裏1日ずつ分けて塗布する必要があります。
- オスモカラー エキストラクリアーを一枚板に塗る際には、ムラが発生しないよう一枚板全体に丁寧に塗ります。
- オスモカラー エキストラクリアーを塗って10分から15分ぐらいしたら、乾いた布で拭き取ります。
このようにオイル塗装を行なうことによって、一枚板の割れ、反り、ねじれを防止したり、杢目を綺麗に浮かび上がらせることができます。
材木店、銘木店で購入した一枚板を自分自身で仕上げる方法についてのご紹介は以上です。
材木店、銘木店で購入した一枚板の仕上げについて
材木店や銘木店で販売されている一枚板は、家具店、一枚板専門店で販売されている一枚板と異なり、製材機で無垢材が一枚板のサイズに切り出され、割れ止めが塗られている状態で販売されてケースがほとんどです。安いからという理由だけで、材木店、銘木店で一枚板を購入しても、その一枚板をテーブルとして利用することはできません。購入後に一枚板テーブルとして利用できるように仕上げを行なう必要があります。仕上げとは、割れ止めを削り取った後に、一枚板を平行にし、最後塗装を行なうといった内容となります。材木店、銘木店で一枚板を購入した際、仕上げまでどのような作業工程があるのかについて、実際に銘木店で購入した神代栗の一枚板を例にご紹介いたします。
一枚板購入時の基礎知識
一枚板が通常の家具と大きく違う点は、無垢材で出来ているということです。無垢材で出来ているという事は、割れ、反り、ねじれなどが発生する可能性があり、その変化も楽しめることが、通常の家具と異なる一枚板の特徴でもあります。割れたり反ったりした場合、修理してくれる家具店や一枚板専門店もありますが、もともと工務店などに対して一枚板を販売しているような材木店や銘木店は、「一枚板は、必ず変化するもの。」という前提条件のもと小売販売を行なう店舗も沢山あります。一枚板を購入するということは、割れや反りが発生するものという点を必ず理解した上で、購入する事がとても大切になってきます。自然のままの素材である無垢材で出来た一枚板は、「触れたり眺めたりすると自然のパワーを感じる。」という方もいれば、「世界にたった一つしかない完全オリジナルな家具。」という点に魅力を感じる方も多くいます。でも、そんな魅力的な一枚板を実際に購入しようとすると、「どこで購入できるのだろう?」、「どんな種類があるんだろう?」、「含水率って何?」、「一枚板テーブルの塗装の種類と違いって何?」、「割れや反りが発生しない一枚板って無いの?」、「価格が安い無垢材から自ら塗装まで仕上げられないの?」といった沢山の疑問が出てきます。一枚板を購入する側の立場で、いろいろと疑問に思った事などを自らの体験談をもとに、一枚板購入前の基礎知識としてまとめてみました。