一枚板のデメリット(困った事・後悔した事・危険な点)について、実際に私と同じく一枚板を購入して利用しているエンドユーザー側(実際に一枚板を購入したユーザ側の立場の方々)から寄せられた意見をまとめてみました。国内には、買い手目線の一枚板を紹介するサイトが存在しないせいか、一枚板を購入して困った事、後悔した事、危険だと感じた点についての意見が本サイト(一枚板比較)を立ち上げた当初、沢山寄せられてきました。一枚板は、販売する側、購入する側の価値観によって様々な捉え方の違いがあります。一枚板を購入する際には、自らの価値観や、利用場面に適した商品をジックリ選ぶ事がとても大切です。「一枚板は一点モノ。早く決断しないと売約済みになってしまいます。」と急かしてくる販売店もありますが、本当に一枚板でよいのか?一枚板のデメリットも含めて把握した上で、時間をかけて検討した方がおすすめです。一枚板のデメリットを記載する事は、販売店側に立てば「木を売るのは大変なので、掲載しないで欲しい。」との意見がきますし、購入者側に立てば「事実を知りたいので、事実を教えて欲しい。」となります。ここで私と同じく一枚板の購入者のスタンスとして大切なのは、「一枚板のデメリットもちゃんと理解し、デメリットがあってもやっぱり無垢の一枚板が欲しいから購入する。」という判断をする事だと思います。初めて一枚板を購入する方は、以下に記載した様々な方々から寄せられたデメリットを確認すると、一枚板の販売店では教えてくれない「なるほど。そんな出来事があったのか。」と思う気付きがあるはずです。私も初めて一枚板を購入する際には、一枚板にデメリットがあるなんてまったく気が付きませんでした。
一枚板の欠点として、不乾燥、反り、割れ、捻れ、縮みがあります。販売店によっては、これらの欠点は、無垢材の特性として一生付き合わなくてはならないものであり、これらは欠点であると同時に無垢材の良さでもあると言い切られる事があります。しかし、本サイトに寄稿いただいている50年以上、木のお仕事に携わっている木喰虫さんは、不乾燥、反り、割れ、捻れ、縮み等の問題は、プロ(木を扱う販売店、企業)側で全て解消される事象であるとのご意見を以下のページで述べられています。一枚板のデメリットを知るのとあわせて、木の欠点についても確認しておくのがおすすめです。
目次
一枚板のデメリット(困った事・後悔した事・危険な点)
購入時に困った事
- 一枚板の来歴(木の産地、伐採された時期)、乾燥期間等を質問しても、明確な回答を得る事ができる一枚板の販売店がとても少ない。
- 幅が90センチを越えるサイズになると一気に価格が高くなる。
- 家具店、一枚板専門店で一枚板を購入する際は価格が高い。
- 一枚板に節(木材の欠点、節について)があるとなぜいけないのか?木材の欠点とは何なのか?無地とはどのような状態を述べるのか?という質問に対して、明確・的確・正確な回答を得られた事が無い。
- 無垢材(一枚板)は、鑑賞性の高さは感じられても、安全性、耐久性、性能面の高さは、一般に販売されている量販テーブルの方が優れていると感じた。見た目だけで判断してはいけない。
- 神代の一枚板を多く扱う材木店に、「本当に2500年前の噴火によって火山灰に埋もれていた木なのでしょうか?」と質問したところ、明確な回答が返ってこなかった。
- 塗装やレジン加工等、一瞬高級感が漂う商品と感じてしまうのですが、その姿は無垢材が人間の欲望によって染められた物。本物志向な人は、自然の生い立ちを大切にする傾向が強い為、杢目が綺麗に詰まった無地で無塗装の一枚板を選ぶ。
購入して後悔した事
- 購入時に店舗で説明された木の種類と、購入後に調べた木の種類が違っていた。
- 販売価格の基準が不明確。購入後、他店で購入した方が安かった事に気が付いた。
- サイズが大きくなるほど専門の職人でなくては加工ができない。
- 地方の材木店に初めて神代の一枚板を注文したら、商品到着まで4ヶ月もかかった。神代の一枚板は希少価値が高い為、販売したくなくなってしまったのか?注文を忘れられてしまったのか?と思っていたら、注文から数ヶ月も経ってから納期の連絡がきた。→ 別の銘木店へ「とある材木屋で注文した一枚板が納品されるまで、4ヵ月もかかったんですよ。」と伝えたところ、「それは、その材木屋、販売した一枚板に自信がなかったんですよ。一枚板が割れたり、反ったり、捻じれたりする時期をわざとズラして納品していたとしか考えられない。一枚板を初めて購入するお客は、一枚板が割れたり、反ったり、捻じれたりする事なんて真に受け止めないですからね。」との回答を得ました。確かに、注文した神代の一枚板は、その後、木口から割れました。一枚板を注文したのに、納期を先延ばしにされる店舗は要注意。
- 材木店でスポルテッドが入る個性的な一枚板を購入後、”スポルテッドは材としての価値が無い”という事を銘木店で知らされ嫌な思いをした。
- 古材(アンティーク)の一枚板が気に入り購入後、古材(アンティーク)はどのような使われ方をされてきたか不明なので手にしない方が良いと銘木店の方に言われ、古材(アンティーク)は全て手放してしまった。古材(アンティーク)の一枚板を購入する際には、見た目のカッコよさを気にするだけでなく、古材(アンティーク)の出所を必ず確認する。出所や元の使われ方が不明確な古材(アンティーク)は、購入を避けた方がよい。
- 杢目がとても綺麗で高額なタモ(佛)の一枚板を購入して利用しているうちに、ねじれてきてしまった為、購入元に補修をお願いした所、一枚板の厚みがもともと薄い為、補修できないと言われ納得できなかったものの、最後は泣き寝入りとなってしまった。高額な一枚板を購入してしまった事を未だに後悔している。
- 無塗装、オイル塗装の一枚板の上に、お醤油やコーヒーをこぼしてしまったら、大きなシミになってしまった。
- ウレタン塗装、セラウッド塗装の場合は、「割れや傷が目立ちやすい」、「自らメンテナンスができない」、「木の質感、木の香りを感じ難い」。
- 気乾比重の値が高い無垢材ほど重いため、一度設置した後の移動がとても面倒。
- 旦那にせがまれ購入した高価な一枚板。テーブルが無垢材でなくてはならない理由が何なのか?未だに理解不能。
- 「希少価値が高い」、「資産価値が高い」というのはセールストーク。実際に一枚板をリサイクルショップや買取専門店などに見積もりをお願いしてもほぼ値段が付かない。もしくは引き取り代金と相殺で買取代金は0円になるケースがほとんど。
- 杢目がギラギラした一枚板は、楽器(ギター等)の材として好まれる。リビングで杢目がギラギラした一枚板を毎日食卓で利用していると、とても疲れてくる。実際に柾目と杢目が乗る板目を立て掛けて並べてみると、柾目の方が落ち着きがあり、品があり、とても美しく見えてくる。
- 自然な雰囲気でカッコいいから、おしゃれだからと購入した歪(いびつ)な形をした一枚板は、実際に利用するととても使い辛い。特にリビングで、毎日食事の際に利用するテーブルは、まっすぐ長方形に近い形状の方がストレス無く利用できる。
- 高周波プレスで人工乾燥された一枚板を購入後に、自然乾燥(天然乾燥)された一枚板に触れたら、触れた時の木の質感や香りが全然違った。家具店や一枚板専門店だけでなく、材木店や銘木店まで、一枚板の購入前に足を延ばせばよかった。
- 一枚板は引越しが大変。特にマンションの高層階へ無理をして搬入してしまった一枚板は、引っ越し時に危険で搬出する事ができずとても困った事がある。最終的には、電気のこぎりで切断して処分してしまった。特に高層階のマンションで、大きな一枚板を購入する際には、販売店側が搬入は問題無いと言われても、引っ越し時の搬出まで考慮しておいた方が無難。搬入に苦労するという事は、搬出も苦労するという証。
- 無垢材の為、自然に空いた穴や割れがある。家具店、一枚板専門店、材木店や銘木店は、これを自然が作り上げたデザインと説明する。確かにデザインとしては魅力的なのですが、実際にテーブルとして利用すると、穴や割れには、ホコリ、ゴミ、ペットの毛、子供達がテーブルの上で食べたビスケットのカスなどが入り込み、掃除をする事ができない場所がある。特に食べかすは、梅雨の時期はカビやすいのでとても心配になる。毎日食卓で利用するテーブルは、無垢材の一枚板では無い方が絶対に実用的。
購入して知った一枚板の危険な点
- 無垢材のため、割れ、反り、ねじれが発生する可能性が高い。
- 利用しているうちに一枚板が段々とねじれてきてしまいテーブルとして利用できない程になってしまった。
- 夏場に未乾燥なモンキーポッドの一枚板を購入してしまい、冬場に真ん中から見事に真っ二つに割れてしまった(当事者の方に実際に割れたモンキーポットの写真を撮影させていただきました。)。一枚板を購入する際には、必ず乾燥済みなのか?について、シッカリと確認した方がよい。
- 一枚板を脚と固定せず設置していたら、地震の際に一枚板が落ちてしまい床に大きな凹みが出来てしまった。
- 一枚板はとにかく重い。移動時に足の上に天板を落としてしまい骨折をしてしまった。子供の上に落ちたらと思うとゾッとする。
- 購入した一枚板から虫が出てきて驚いた。
- 高周波プレスにかけた一枚板は、割れたり、反ったり、捻じれたりする可能性が低いと言われ、一枚板専門店でウォールナットの一枚板を購入しましたが見事に割れました。実際に割れた一枚板の写真は、こちらのページに掲載しています。
一枚板を購入された多くの方々から送られてきたデメリットを掲載してみました。私は上記の一枚板のデメリットも理解した上で一枚板に魅力を感じ購入し、毎日食事や仕事をするテーブルに利用したり、観賞用として壁に立て掛けて飾ったりもしています。一枚板には、多くの一長一短があります。以下のページでは、一枚板のメリットについてまとめています。
初めて一枚板を購入する際の注意点
プロの方に教えていただいた一枚板を購入する際の注意点について、以下のページでまとめています。特に参考にしていただきたいのが、木材の欠点についてまとめているページです。ここにまとめた内容を知るまで、”一枚板は、割れ、反り、ねじれが発生して仕方が無い物”という認識でいたのですが、”製材時”・”養生乾燥”と一枚板を販売するプロとして大事に木をいたわり、育て上げれば、この問題の大半は解消されます。という事実を知りました。つまり、一枚板の割れ、反り、ねじれは、一枚板を販売する側において、管理の段階から未然に防ぐ事ができるという事です。
一枚板を購入できる場所とそれぞれの特徴と価格
一枚板は主に、家具店、一枚板専門店、材木店・銘木店で購入する事ができます。新築の家を建てる際には、工務店経由で一枚板を購入するというケースもあります。買う側からみると同じ一枚板でも、家具店、一枚板専門店、材木店・銘木店、工務店で一枚板を購入する際には、それぞれの違いやメリット、デメリットがあります(どこで購入する?一枚板を購入できる場所とそれぞれの特徴と価格)。それぞれについて、以下のページでまとめています。
どこで購入する?一枚板を購入できる場所とそれぞれの特徴と価格
一枚板購入時の基礎知識
一枚板が通常の家具と大きく違う点は、無垢材で出来ているということです。無垢材で出来ているという事は、割れ、反り、ねじれなどが発生する可能性があり、その変化も楽しめることが、通常の家具と異なる一枚板の特徴でもあります。割れたり反ったりした場合、修理してくれる家具店や一枚板専門店もありますが、もともと工務店などに対して一枚板を販売しているような材木店や銘木店は、「一枚板は、必ず変化するもの。」という前提条件のもと小売販売を行なう店舗も沢山あります。一枚板を購入するということは、割れや反りが発生するものという点を必ず理解した上で、購入する事がとても大切になってきます。自然のままの素材である無垢材で出来た一枚板は、「触れたり眺めたりすると自然のパワーを感じる。」という方もいれば、「世界にたった一つしかない完全オリジナルな家具。」という点に魅力を感じる方も多くいます。でも、そんな魅力的な一枚板を実際に購入しようとすると、「どこで購入できるのだろう?」、「どんな種類があるんだろう?」、「含水率って何?」、「一枚板テーブルの塗装の種類と違いって何?」、「割れや反りが発生しない一枚板って無いの?」、「価格が安い無垢材から自ら塗装まで仕上げられないの?」といった沢山の疑問が出てきます。一枚板を購入する側の立場で、いろいろと疑問に思った事などを自らの体験談をもとに、一枚板購入前の基礎知識としてまとめてみました。